私が思う、おっさんずラブ in the skyの魅力は、本当はすごく大切で、みんながそれを良いなって思ってて、願っているようなことを、ドラマの世界の中で見せてくれるところです。
おっさんずラブの世界は、現実とはまだ少し違うのかもしれない。でも「現実ってこうじゃないよね」って言いたいのじゃなくて、「こういう世界、なんか良いよね」って言い合いたい世界を描いてる。あんなふうに、人目なんて気にせずに人を想ってみたいな。あんなふうに、自分の気持ちに素直に誰かに恋してみたいな。そういう世界。
途中にオーバーな言動だったり、突拍子もない出来事があったりと、ぱっと見、真剣さからちょっとずらされてしまう。
でも大事なことを伝えるときに、正論っぽくなりすぎないように、独特のユーモアさでバランスをとっているところが、このドラマの味だと思う。正論は誰かを傷つけることがあるし、正しさは戦いを生むけど、このドラマはそういった現実で生きてると出会うトゲをうまく笑いで包み込んでいる。でも決してそれで何かを軽んじているわけじゃない。みんな違ってみんないい。それを具現化した、どこまでもやさしい世界だ。
展開に現実味があるかどうかは、このドラマが描く物語の中では些末なことなのかもしれない。
思いっきり笑って泣いて胸キュンして。その中でも「人を想う」という軸には嘘がない。「人を想う」気持ちはなにより丁寧に描き、大切にしている。それが視聴者の心を動かすのだと思う。
私は、登場人物の想いが画面から伝わる度に、一喜一憂した。生き生きしている登場人物を観ながら、みんな幸せになってほしいなあって毎回願いながら見てた。私は演技のことはわからないけれど、ドラマの中に生きる人物達が、本当にいるみたいに思えて、虚構の世界を超えて、応援したくなった。「ご搭乗の皆様」というナレーションに、まるでチームの一員になったような気持ちになった。
単発も天空不動産も天空ピーチエアラインも私は大好きで、「おっさんずラブ」という作品が、春田創一が、黒澤武蔵が見せてくれた愛の形が大好きです。
私は評論家でもない、ただのいち視聴者だけど、そんないち視聴者に、人を想う気持ちの大切さを、それを素直に持って生きることの勇気を届けてくれた「おっさんずラブ in the sky」という作品に、ありがとうございますと伝えたいです。
心からの感謝と敬意を込めて。