今クールドラマベスト争いの一角。
本当に脚本が隅々まで尊くておもしろかった。
ほとんど何も起こってないし、ただただ日常を描いているだけなのに、会話だけでこんなにおもしろくなるのかと!
そういう意味では『最高の離婚』と近しいものを感じる。
ドラマはやっぱり脚本だなーと改めて思わせてくれる作品だった。
脚本書いた方が『プロポーズ大作戦』の脚本家。
どうりでこんなにもおもしろいわけだ。
この絶妙な相乗効果が募っていく脚本や一世一代の行動に至る絶妙なお膳立てが並んでいく演出には思わず惹き込まれるものがある。
本当におもしろかった!
なんやかんや満が軸になって、みんながよい形に繋がっていくのが素晴らしい。
悔しいけどいつのまにか満は今の満でいて欲しいと思ってた自分がいた。
どれだけ小さな社会である家族の中にも見えない力関係がいつのまにかできてしまって、伝えたいことを何でも伝えられなくなっていく。
本当の意味でフラットな関係ではなくなっていき、無駄に気を遣ったりこうあらないといけないという思いが働いてしまう。
家族の中でも空気を読んでしまうものである。
そんな力関係を間を取り持つことによって、徐々にフラットにし、家族を何でも言い合える関係にしていったのが満だった。
誰との利害関係もなく、いつも素の自分で人と関わり合っているからこそできること。
彼にしかできないことが確かにそこにはあった。
海星が周りに一人くらい満みたいな人がいて欲しいってのが本当に共感できる。
まさかここまでハマるとは思わなかった!
満に与えられた影響により、ちょっと丸くなったり自らの意見を主張するようになったり素直になったり。
それだけで家族があんなにも温かくなる。
それが最もわかったシーンが自転車で綾子が負けたシーンである。
こうじさんは春海と2人で家に戻ることができるようになり、家族が綾子に対して気を遣わずに罰ゲームを受けることに後ろめたさがなくなっている。
こういう細かい演出も本作が大好きな理由の一つだ。
そして最終的に満がみんなから応援される。
就職活動をするという一見そんなことでということで、あの盛り上がりや感動を見せてくるわけだが、それが満にとってどれだけ大きいことかが裏で一つ一つ丁寧に描かれていたからこそ、あのシーンも感動がドッと押し寄せてくる。
たった一つの就職活動の面接に向かうシーンで涙が出るくらい感動する。
満がどれだけ周囲に愛されているかが一目でわかるし、そこには満にプラスの影響を知らぬ間に与えてもらっていた人たちがいて、結局悪者が一人もいない本当に素敵なドラマとして終わっていった。
話が長いニートに極限に寄り添うドラマ。
最高じゃないですか!
生田斗真を中心に、安田顕、小池栄子、清原果耶、原田美枝子という特徴的なキャラで空気をしっかり作れる演技派キャストが勢揃いしてるからこそ、より本作にとてつもない愛おしさを感じられるようになっている。
どのキャラクターもなくてはならなくて、それぞれがそれぞれの特徴を持っていて、全てが愛おしい。
そのキャラクターは最後まで大事にしつつ、生きづらくなる要素については、満が入ることによって徐々によい方向に変わっていき、結果的にみんなが何かから解き放たれたようにハッピーに、素敵な関係になっていった。
そしてエンディングで毎度流れる関ジャニの「友よ」が最高だった。
本当にタイミングもよいし、歌詞を意識してちゃんと聴いてるとドラマとリンクして、メロディに絶妙な悲壮感もあって、泣けてくることも多々あった。
うん、溢れるものがありすぎてまとめきれない。