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おっさんずラブ-in the sky- 1話〜8話のあらすじ、放送時間、出演者、脚本家、主題歌、原作、おっさんずラブ-in the sky-が見られる動画配信サイトの情報を掲載。 おっさんずラブ-in the sky-の口コミ(口コミ)・感想・評価を投稿する事ができます。
3.1
(173件の口コミ)
出演者 3.5
ストーリー 2.9
演技 3.4
映像 3.2
(173件の口コミ)
テレビ朝日系
初回: 2019年11月02日
最終回: 2019年12月21日
テレビ朝日系 土 23:15-00:05

口コミ

4.0
出演者 5.0
ストーリー 3.5
演技 5.0
映像 5.0
おっさんずラブ-in the sky- 第4話

今回、印象的だったのは、春田が、つい先日、キス寸前までいった相手(ひなちゃん)のことを考える描写が、1mmもなかったこと。それくらい、春田は常に成瀬のことしか考えていなかった。主題歌の歌詞をなぞるかのように、春田の「目線の先にいる」のは成瀬だった。大雨の中で抱きしめた成瀬を思うところから始まり、ラストでは成瀬とシノさんの親密な様子に心をかき乱される。今回は、春田の気持ちがはっきりと動き出した回であった。

いつも無表情で、他人に無関心かつ信用しない性格の成瀬。彼が抱えている秘密とはなんなのか、大袈裟なことをいろいろと想像してしまっていたが、蓋を開けてみれば、その正体は、よくありがちな父親との確執。ダメ人間な父親のせいで、自分も人間不信になった、と。これには正直、拍子抜けした。
まぁ、でも、そんな深刻な問題を抱えていたというわけではなくて安心した。OLの世界観に合わないような、とても重たい秘密(幼児期に虐待されていたとか)なら、どうしよう…と不安だったので。(彼にとって、父親とのことは充分に深刻だったとは分かっているけど)
しかし、このくらいの秘密なら、4話まで引っ張らずに、もっと早い段階で明かしてくれたほうが良かったように思う。

父親の死により、彼の中を占めていた父親の存在(性格をねじ曲げるほどの悪影響)はようやく消え去った。代わりに、冷えきっていた彼の心は、春田の真っ直ぐな優しさで温まっていく。徐々にどころか、急速に雰囲気が柔らかくなってゆく成瀬の様子に、春田も驚いただろうし、見ているこちらも驚いた。
雨の日のことについて素直に春田にお礼を言ったり、寮での「グラタンいります?」のやりとり、そして「グレートCAになるんでしょ?」と春田をぎこちなく励ます、愛らしいきれいな笑顔。春田が惹かれないわけがない。今まであんなに愛想のなかった成瀬が、自分に心を開いていくのを目の当たりにして、何も気にならないはずがない。
成瀬の心が溶けていくにつれて、それに比例して春田の心も急速に成瀬に向かっていく。一見、これで両想いになって、めでたしめでたし…となりそうだが、恋愛というのは、そう簡単にはうまくいかない。

事務所内で寄り添って眠る成瀬とシノさんの姿。それを見て、一瞬、時が止まる春田。自分の知らないうちに、いつの間にか成瀬はシノさんの元へ駆けつけて来ていて、大きな問題はとっくに解決していた。仕事を終えて安心して笑い合うふたり、それを見つめる春田のあの表情には、自分だけ置いてけぼりの疎外感と、成瀬への想いと、シノさんへの嫉妬が、複雑に混ざっていた。
なんとなく気になっている相手が、自分以外の男にも心を許している、自分以外の男に無防備に寄り添っている。この光景を目にしたこの瞬間、春田の成瀬への想いは、本人の自覚が追いつかないまま、急速に膨れ上がっていったのではないだろうか。
古墳展のチケットを見つめて歩きながら、ふふっと幸せそうに微笑みをこぼす春田。自分はまったく興味のないジャンルのチケットを2枚も取った理由は、成瀬の喜ぶ顔が見たくて、成瀬と一緒に出かけたくて、成瀬が楽しそうにはしゃぐ様子を見たいがため。これを「恋」と呼ばないわけがない。

その一方で、「俺は本気で誰かを好きになったことなんて一度もない」 そんなことをシノさんに吐露する成瀬。成瀬の気持ちは、どう見ても確実にシノさんに向いている。一見、兄が弟に懐く「敬愛」の気持ちのようにもみえるが、これは、それ以上の「恋」だと思う。
「そういう顔してたほうがかわいいよ」とシノさんに頭を撫でられる成瀬は、まるで少女漫画から飛び出してきたような「恋する乙女」の姿そのまま。「好きなだけです…飛行機が」(飛行機が…好きなだけです、ではなく)とシノさんに照れくさそうに言う様子や、何よりも、シノさんの手をすぐに払わずに、撫でられるがままになっている成瀬の態度が、今まさに恋をしている、ということを雄弁に物語っている。
そして、またしてもこんな場面を目撃してしまい、自分でもよく分からない感情に、更に心かきむしられる春田。
「どこ行きの飛行機に乗っているんでしょうか」という心の声と共に映し出された春田の表情、あれが非常に秀逸だった。戸惑いや行き場のない怒りや成瀬への想い、すべてがあの一瞬の表情に絶妙に表現されていて、私はここで改めて、田中圭さんの演技力に大いに感心した。

春田の気持ちがはっきりしてくると同時に、シノさんの恋は実らないという可能性が必然的に高くなる。
シノさんの春田への想いは、卓球勝負の際に、武蔵の暴走をきっかけにして、なんと成瀬の口から暴露されてしまった。成瀬も武蔵も、シノさんが自分の気持ちを春田に言うつもりはまったくないと知っていたにも関わらず…。(ふたりが、シノさんの煮え切らない態度にイライラしてたことは分かるけど、本人の承諾もなしにバラさないであげてほしかった…。ふたりを責めるつもりはないけど…)
卓球勝負については、武蔵がシノさんにカゴを投げつけたり、最後、武蔵が暴れて、スリッパで成瀬とシノさんを引っぱたく描写が、私はちょっと苦手。ただ、卓球そのものは笑えた。軽快なジャンプやスマッシュ、大声を上げてむきになる成瀬と、ノールックでラリーを返すシノさん、コミカルな動きと謎の大ジャンプ、それに翻弄される春田。それは普通に笑えたw
ゴタゴタの中、明かされてしまったシノさんの本心。それでも頑なに、春田には気持ちを伝えず、「誰がおまえなんか。ひなちゃんを大切にしろ」と笑って言うシノさんの悲痛な態度が、苦しくて切なくて泣けた。彼の想いは、この先、どこへ向かうのだろう。

ひなちゃんが、シノさんのことを、男とか女という性別は関係なしに「ライバルとして」これからも仲良くしたいと、青空の下、宣戦布告と共に、手を握ったシーンがとても良かった。「シノさんには、男であるからという理由で、春田を諦めてほしくない」、そして「でも私も彼を好きだから負けない。私たちは同等の立場だよ」というひなちゃんの明るい気持ちが、シノさんの沈んでいた心を少しは浮上させてくれたと思いたい。

私は前回の3話の感想で、憶測として「全員が片想い」と書いたが、まさにその通りの様相をはっきりと呈してきたこの4話。
沸き起こる嫉妬心と共に、無性に成瀬に惹かれていく春田。
気持ちはシノさんに向きつつある成瀬。
シノさんの春田への想いの行く末。
ひなちゃんを応援すると決めた武蔵の行き場のない恋心。
春田との関係を一歩前進させたいひなちゃん。
昔から、様々な少女漫画や恋愛ドラマを見てきたが、こんなにも全員のベクトルが一方通行の話は初めてで、お世辞なしに本当におもしろい。
成瀬の秘密の正体と、卓球でのやや行き過ぎた武蔵の行動が、少し期待と違ったので、ストーリーについては星を減らしたが、それ以外はいつも通り、何も不満などない、星5つの回だった。

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