今回は成瀬のシノさんへの気持ちと、シノさんの春田への想い、そして成瀬のことを意識し始めた?春田の変化がとてもうまく描かれていた。
「好きなんですよね、あの人のこと。俺が代わりに言ってあげましょうか」「お似合いだと思いますよ」成瀬がシノさんに言ったこのセリフ。あぁ、この子、シノさんのこと好きなんだな…と私には思えた。しかも自分はこの恋が実らないと分かっていて、シノさんの背中を押すことによって諦めようとしてる感が、見ていてつらい。
偏食なことを心配されて「うざー!」と言いつつも、出された料理を食べてるし、本当はシノさんが自分のこと気にかけてくれて嬉しかったのだろう。ほぼ変わらない表情と抑揚のないセリフで、素直になれない不器用な成瀬を見事に演じきっている千葉くんの演技が圧巻。
春田とシノさんのピアノのシーン。「俺も弾きたい」とピアノを弾く春田にそっと手を重ねるシノさん。無邪気に笑う春田を見つめるシノさんの優しい笑顔。叶わない恋を秘めているシノさんの、悲しそうな、でも、このままでいいんだと割り切った幸せそうな表情。言葉は少ないシーンだけど、春田への無限の愛おしさが溢れていて、涙なしでは見ることはできなかった。
シノさんが恋に一歩引いている理由は、男同士であることもそのひとつだろうけど、一瞬映った、学生時代の先生との過去も関係してるのかな。今後、その事情も見れることを期待したい。
「ENDLESS RAIN」の最大の見せ場、雨の中で成瀬を抱き寄せる春田と 、それを目撃してしまうシノさん。成瀬が抱えている事情(詳しくは明かされてないけど)を知って、雨の中で成瀬を抱きしめる。最初は抵抗した成瀬が、「ごめん、何も知らなくて」という春田の言葉に、ふっと腕の力を抜いて、子供のように泣き出す。あれは成瀬の凍てついて閉ざされていた心がふっと溶けた瞬間でもある。そんな成瀬を、更に春田は強く抱きしめる。もちろん、この段階では、春田は成瀬に対して、愛とか恋の感情はないだろうけど、確実に春田の中で成瀬の存在が「ただの同僚」以上になったのだと思う。
そして、成瀬を抱きしめる春田を目撃してしまったシノさん。「やはり俺の恋は叶わない」と悟ったのか、それとも「ひなちゃんにならまだしも、同じ男である成瀬に取られるくらいなら」と火がついたのか(シノさんの性格的にこれは考えにくいけど)、心の内は分からないけど、とにかくあの悲痛な表情が、見ていてとても苦しかった。
ひなちゃんが差し出す傘を拒否して「ごめん、春田が好きなんだ」という告白の、「ごめん」のセリフにとても重みを感じる。ひなちゃんへの「もう君のことは応援してやれない」という意味を含んだ「ごめん」。自分の気持ちにもひなちゃんにも、嘘をつくのがもう限界になってしまったんだね。シノさんは今後、成瀬にどういう態度をとっていくのかな。春田のことを欲しいという積極性は生まれるのかな…。
無駄なシーンが何ひとつなく、心理描写が丁寧で、役者さんの演技もすばらしい。文句なく、すべてが星5つ。
私には全員片思い(ひな→春田→成瀬→シノさん→春田←武蔵)に見えるこのドラマ。今後の展開(誰と誰がくっつくのか)がまったく予測不能!4話にも期待!