今作もおなじみの俳優の皆さんが演技が情熱的で、汗臭く泥臭く男の意地と欲望がぶつかり合っていました。
BGMや効果音は映画のようなスケール感だし、画面いっぱいに顔のどアップが映し出される。登場人物たちの感情の起伏は激しく、愛すべき癖のあるメンツに、
「そうそう、これこれ!」となんだか懐かしさに嬉しくなりました。
1話の中に、ピンチと復活を盛り込んで見る人を離しません。
ネットでは『「前作と同じでいい加減見飽きた」「どうせ小さくて弱いほうが勝つ展開なんでしょ」と酷評続出!』という記事をみましたが、これに関しては全く賛同できないです。展開はわかっていたとしても、これからどんな過酷な状況に晒されるのか、その中で登場人物たちが何を思い、何を築いていくのか、そしてその困難からいかにして成功していくのかという過程を楽しむのがドラマの醍醐味ではないでしょうか。
私がこの第1話で過程を楽しめた部分は、クライアントから取引終了を言い渡されたことで、技術力の高さという強みでスペックを追い求めるよりも、クライアントやユーザーのニーズを真剣に知り、両者にとってベストな製品を作り出すことで大手他社製品に勝利したところでした。今しているのは誰のための仕事なのかを見失わないことがそれだけ大切なのか、考えさせられた瞬間でした。
俳優以外からも幅広いキャスティングが話題となる池井戸作品ですが、今回はお笑い芸人・イモトアヤコさんが光ってましたね~!
ロケット開発の最大手・帝国重工から独立した天才エンジニア・島津裕(しまづゆう)を演じています。
イモトさんは「家売る女」でもやる気のないダメ社員っぷりを見事に演じていましたし納得の抜擢です。バラエティ番組「イッテQ」では極寒の登山レポートでは、喋ることすら辛い状況なのにリアクションしてレポートし続けるプロ根性をいつも見せてくれます。
そんな彼女はこの第1話で、天才エンジニアとして想像を絶する名品に出会い思わず涙するというシーンを素晴らしい感性で演じていらっしゃいました。
しくしくめそめそ泣いているんじゃなくて、言葉にならないほどの感動がポタポタと目から溢れたといった感じの演技で、どれほどまでに佃製作所の提案してきた試作品が素晴らしいものかを感じさせるには十分でした。
この涙を流す演技、台本にはなくイモトさんのアドリブだそうです!
だから泣いたっていうよりあふれ出た!って感じの涙だったのね~!
物事に対してまっすぐな情熱を向けて取り組むイモトさんの良さが現れたのではないでしょうか。
イモトさん演じる島ちゃんは、これから益々キーパーソンになっていくようで楽しみです。
納品先の大手がロケット事業をやめるという危機が迫っていますが、農機具という新しいビジネスチャンスも見つかりました。ここからさらに成長していくであろう佃製作所のメンバーたちに奮起させられること間違いなしです。