藍の内面というか心は最初からこれまでもずっと読めなかったけど、有明もまったく読めない…。千尋に責任を感じるのはなんかわかるんだけど…。鑑別所もまた大変になってるし。内面も先も見えないドラマだわ。
野島伸司特有の、弱さや悩みを持った人間を描くうまさが際立っていて、しかも演技がしっかりできる俳優が揃ってるから、見てて胸が痛い回だった。フィクションなんだけど、妙なリアルさがあるから絶妙に刺さってくる。
ドラマの1話は大体いろんな設定や人物紹介で情報が詰め込まれていることが多いのだけど、しっかり情報を伝えつつ説明的にならないところはさすが野島伸司という感じがする。詩的な(悪くいうならクサい)セリフも、するっと入ってくる。
最終回前にこれはつらすぎる…。つらいし、切ない、全編において。真白に何を感じるかは人それぞれ違うと思うけど、私はただただ悲しかった。有明の新しいことも判明して、最後にどう繋げるのか。
やっぱり、藍はなんだかんだで大人というか、いくらか相手を考えた言動ができる子なのかな。最初は弱さと愛をメインに描いている感じだったけど、死とかも絡んできてストーリーがどう展開するのか読めなくなってきた。
それぞれが抱えていて人に言えなかった弱さをあえて吐き出すことで、自分も楽になり、聞かされた相手も、向こうに弱いところがあったと知るような回。野島伸司らしさがまた増してきた。
最初は鑑別所に入る藍のほうが、いろいろと弱いというか、危うい存在のひとりだと思ってたけど、これはもしかすると、有明のほうが危うくて弱い存在なのかもしれない。ちょっとお話も難しくなってきて、何回も見ちゃう。
めちゃくちゃ入り込んで見てしまって、約50分があっという間だった!永遠にこだわり始めると、なんだか人間として重たいものを背負ってしまうような気がするんだけど…。でもそれが野島脚本なのかな、という感じ。
最後まで見てみて、やっぱり現実味はあまりないんだけど、それでも妙にリアルさを感じさせるドラマだった。それは、登場人物の彼ら彼女らが、作品の中でしっかり生きていたという証だと思う。途中はつらかったけど、最後まで見てよかった。
窪塚洋介の演じる牧村、強烈だなー。なんだかんだでこういう役どころを演じられるのは、やっぱりすごいと思う。2話にして物語もガッと加速している感じがするので、今後も楽しみだ。