『#リモラブ』の最終回を見終わった今、なんとも言えない満ち足りた気持ちになっている……。『チェリまほ』の最終回が”尊い”ならば、『#リモラブ』の最終回は、ただただ愛おしかった。

ふたご座流星群のデートが不発に終わったネトゲカップルは仲直りするものの、再びアンジャッシュのコントのような擦れ違いを起こす。「好きだから相手のことを分かりたい」目指すゴールは美々先生も青林も同じなのに、どうにもこうにも噛み合わない。「ちゃんと向き合わなきゃ」「ちゃんと分かり合わなきゃ」の気持ちが先走って、歩み寄ろうとするほど距離が開く。口を開けば開くたびに、相手は”自分とは違う別の次元の人間”なのだと思い知ることになる。その悪循環を断ってくれたのは、またもや富近先生の言葉だった。

「分かり合えないなら、分かり合えなくてもいいじゃない」

「分からないなら分からないままでもいいんだよ、分かろうとしたことが大事なんであってさ」

その後、美々先生と青林の思いは再び交差する。どれだけ擦れ違っても、根底には同じ気持ちがあるからだ。今までのヤキモキを一掃するかのように二人の言葉が押し寄せる。「大桜美々を柔らかにしてくれた。あなたのことを思うとふんわりします。」の言葉に、私が今作を好きな理由が詰まっていると思った。

2020年に起こった未曾有の大事態は、美々先生だけではなく、画面の前にいる私たちの価値観も大きく変えた。だけど大切なことは、これまでも、これからも変わらないのかもしれない。愛おしさが溢れる中で、そんなことを改めて考えさせられた作品だった。