①虎と鶴3人の関係性がたまらない、そして槍ドン
大河ドラマの初めは、主人公の幼少期から青年期に至るまで。おとわの幼少期を演じた新井美羽ちゃんが、すこぶる可愛い。天真爛漫だけど凛としているようなおとわの雰囲気をよく出していて、成長した柴崎コウの姿を見ると、本当にそのまま成長していて、俳優さんの凄みを感じた。幼少期のパートは、おとわ天真爛漫、鶴はしっかりしてるけど大人しい、虎は体が弱いけどいいやつ、と括れる。
その後、青年期を経て、大人になった時のキャラの違い。必見。どうしてこういう性格に育ったのだろう?と考えて見て欲しい。これが戦国時代というものか、と思えるはず!そして、「槍ドン」。私は、リアタイ当時、当該回を見るのが怖くて、本当に怖くて、大好きだった直虎大河を1ヶ月離脱した。4回分ほど見ずに、なんとなく流れを察して、視聴を再開するという手に出た。結局、当該回周辺を見たのは、最終回を迎えて半年後だった。流れも結論も大体察していたのに、大号泣した。辛い。
②空白ばかりで、史実が少ない井伊直虎、その空白を埋める森下佳子の実力
そもそも、井伊直虎という戦国武将をご存知だろうか、この大河ドラマが出てくるまではほとんど名を知られていなかった人物である。学者の中でも、男性の直虎と女性の次郎法師が別人である説など説かれており、いまだによく分からない人物である。当然、史実も少なく、大河ドラマ史上よく分からない人物ランキング1位かもしれない(完全に私比)。その、空白を埋めたのが、脚本家・森下佳子である。(個人的に大好きなので、お名前の後ろに大先生とつけたい)
史実がない部分を埋め、どうにか一本話を通さなければいけない。大河ドラマである以上歴史的にありえないことは書けないが、分からない以上は創造することが求められる。その結果、このドラマは例年の大河ドラマよりも、エンタメ力が強かったように思える。ざっくりとした歴史の流れ(桶狭間の戦いなど)は決まっているが、それ以外は誰がどうなっていくのかはドラマを見続けなければ分からないのである。それが、楽しい。先が、展開が、わからないんだもの。楽しい。
③強すぎる劇伴。
政次のCDを出したときはまじか今回すごいなと思ったけど、まじで劇伴が最高。菅野様神様。(突然のざっくり)
④ジェットコースターに乗っているかのような展開
戦国時代ゆえに、歴史の残酷さを感じることは大河ドラマを見ていると多々ある。だが、大河ドラマの視聴者はもう慣れっこで、「はいはい、そうですよね。そこで死にますよね」とあっさりしたものである。そこに、一石を投じたのがこれ。先に述べたように、歴史的に不明なところだから、わくわくするというのもあるが、もう一つ、しっかりジェットコースター展開に仕上げられている点も大きい。だからこそ、だらけずに50話という長期戦をワクワクしながら終えられるのである。
ポジティブな回を見ると、次から悪いこと起きるのかな…?と思わせる。不安を煽る。上がったり下がったり、それを繰り返していくのがこの大河ドラマ。何がイケメンスイーツ大河だ。ふざけるな。平和な日々ですら次は何が??と、ドキドキハラハラさせられるのだ。おそろしや
⑤個性的でキャラが立っている。
いまだかつて、農民の名前を覚えた大河ドラマがあっただろうか。戦国時代は、戦いばかりの荒れた感じ+不思議な華やかさがある。それに終始するドラマが多い中、その裏に必ずあるはずの人々の生活。これをが感じさせてくるのが、「おんな城主直虎」。農民の死を悲しんだのはこれがはじめてだった。
⑥豪華な俳優陣の中でも、菅田将暉。
井伊直政やばい。まじ、菅田将暉やべえってなる。直政を見ていると、ああ赤鬼になるわ、と納得できる。菅田将暉の何がヤバイのかというと、憑依力。様々な役を見てきたけれど、どれもしっくり来る、もうずっとその人間として生きてきたかのような憑依する力がすごい。なんて俳優が現れたんだと思った。(もはやこれは直虎関係ないか)
あと、直政としては、幼少期を寺田心くんが演じていて、すごいしっかりした若君で、未来が楽しみだな〜凛とした若武者になるのかな〜と期待させられたのだが、どうしてこんなに歪んだ?笑 見ているうちにどうしてかは分かってくるが、まじなんでこんな風に育ってしまったのって少しおばちゃん悲しくなったよね。
以上、口コミというより自分の思いの丈を記してみました。
結論、私は井戸の底の民となってしまった