未曾有の事態で、思わぬ再放送を観ることができたこの4月期。
再放送されて盛り上がるドラマが多々あったことは視聴者にとっては喜ばしいことではありましょう。
が、再放送は難しいもので、本放送の時には面白く観ていたにも関わらず、何故か二度目は「別に、いいかな。」と思ってしまう作品が多かったというのが実際のところ。(自分は、です。)
再放送されるドラマも何となく系統が同じで、SNSで盛り上がるものか番宣絡み。
まあ、スポンサーや局の事情や出演者のNGなど様々な理由があり仕方のないことではありますけどね。
結果的に自分が観た、もしくは観ているのは「グッド・ドクター」「ノーサイド・ゲーム」「ハケンの品格」「新米姉妹のふたりごはん」、そして先日口コミも書かせていただいた「深夜食堂」くらいかもしれません。
そんな中で、再放送が決定してちょっと嬉しかったのが、この「中学聖日記」。
改めてじっくり観たいと思っていたドラマだけに、「ヤッタ!」という気分でございました。
実は、今期放送されるはずだった「MIU404」に岡田健史くんが出演されるので、宣伝であることには間違いないのですけどね(笑)
当時放送開始前にはタイトルからして妙に艶めかしく、ましてや教師と中学生の禁断の恋!?なんて気持ちの悪い!と不快に感じたりしたのが正直なところでした。
だがしかし、そんな題材を安っぽいドラマにせずに見事な純愛ドラマにすることは可能だよなぁ・・・もし、そんなことができたら良作になるんじゃないかなぁという思いも。
半信半疑で観た第1話。開始早々に「あ、これいいドラマになるかもしれない方だ!」というのはすぐにわかりました。
それでも、有村架純さんが演じる中学校教師・末永聖ちゃんは隙だらけじゃん!
聖ちゃんに恋する黒岩晶くんを演じる新人の岡田健史くんは、中学生にしては妙に色っぽいじゃん!
夏川結衣さんが演じる黒岩くんのお母さんは、メチャクチャ怖いじゃん!
などと、やはり「うわっ!」という要素は盛り込まれていて、それなりにSNSでも話題になっておりました。
どうしてもそういうところに目が行ってしまったり、題材が題材だけにずっと斜に構えながら観ていたのですが、いつしか「最初からちゃんと観ておけばよかったな。」という気持ちに変わっていったのをよく覚えています。
前置きが長くなりましたが、そんな想いがあった「中学聖日記」。
1度観てストーリーがわかっている分、余裕を持って色んなところをじっくり観られたり、新たに気付きがあったりとかなり楽しく再放送を観ております。
特に、第1話早々に黒岩くんが聖ちゃんに恋をした瞬間、スイッチが「バチっ」と入った音が聞こえるような描写に唸ってしまいました。
「あー、黒岩くん、こんな風に恋に落ちたのね」
それに気付いてしまったら、なんだか最初に観た時よりも黒岩くんの気持ちにスンナリ共感できてしまい、1回目に観た時よりも黒岩くん目線でドラマを観るように。
すぐに恋に落ちてしまうあたり、すごく中学生っぽさを感じたり。
前回はどちらかと言えば、聖ちゃんサイドもしくは誰にも共感せずに俯瞰で観ていたかな。
黒岩くんよりもオトナで、しかも婚約者がいる聖ちゃんは彼とは対照的にジワジワと気持ちが動いていく様子がまたすごくリアルで繊細。
聖ちゃんと、町田啓太さん演じる婚約者・川合勝太郎との関係も順調なようで微妙な空気感の描かれ方や、黒岩くん母の変貌する心理も改めて観るとすっごく丁寧に描写されてて唸るばかり。
塚原あゆ子さんの演出って、スゴイな。
いつもハマるという訳ではないけれど、ハマったらすごく好き!と胸アツになってしまいます。
ちなみに、自分が塚原演出で好きなのは、「重版出来!」と「アンナチュラル」。
もちろん、脚本や出演者が良いということも、作品にとっては重要な要素。
が、演出の力は大きいです。
「中学聖日記」は、とにかく画がキレイ。
そして、イベントのためのストーリー進行ではなくきちんと人物やその心理描写を紡いでいるからこそ、「教師と中学生」の恋愛が厭らしい気持ちで描かれていないところが最高です。
実はまだ録画を溜め込んでいて6話までしか観ていないのですが、前半のクライマックスである5話は特に秀逸です。
2人の事が母親にバレてしまい、学校を去ろうとする聖ちゃんを止める黒岩くん。
「なんで、ダメなの」と引き止めようとする彼に対して聖ちゃんが「あなたが15だから!」と言い放つシーンにはドキっ!とします。
15。そう、15歳なんだよね。
何か過ちがなくても、聖ちゃんは責められて当たり前なんだ。
わかっちゃいるけど、「あ~」と思ってしまう自分がいました。
かと言って、2人にくっついて欲しいとは思わなかったですけど(笑)
どちらかといえば、納得がいく結末になってくれればいいと固唾を飲んで見守っておりました。
さらに、たぶん前回観た時も車で町を去って行こうとする聖ちゃんを自転車で追いかける黒岩くんに涙したと思うのですが、今回もまたウルっ。
2人の別れは、切なくも美しい。
かといって、キレイ事に寄せていないところも良かったような気がします。
そして、第6話では3年後。
それぞれの登場人物がそれぞれに少しずつ前に歩き出している?
新しいパートナーも見つかりつつある?
だけど、みんな3年前の出来事が心に残っているんだろうな。
そんな後半戦スタート。
中だるみすることも多いけれど、このドラマは定番の構成でもキッチリとアクセントをつけていてラストまでの期待も持たせてくれます。
実は、今夜が最終回の再放送。
最終回を観た後のTwitterで自分は「今期(2018年10月期)放送のドラマの中で、最高の最終回」と絶賛していました。
その最終回を、きっとまた新たな視点から観て感動することは間違いないと思ってます。
その前に、まだ追いついていない録画を観ねば。
大ファンである岸谷五朗さんの登場回もあるし(笑)。
再放送されても食指が動かないドラマもあるけれど、何度でも観たいと思うドラマもあります。
おそらくそれは人それぞれの作品なのでしょうが、この「中学聖日記」は多分自分にとっては何度観ても新たな発見がある大好きなドラマだと確信できた再放送視聴になりそうです。
すっかり長文になってしまいましたが、読んで下さった方、ありがとうございます(汗)