ということで、相棒です。
今回の事件は、大手ゼネコンの社員が転落死する事件が発生したが、捜査に乗り出そうとした上司から「自殺だから、これ以上捜査はするな」という圧力が掛かる、という昔からよくある展開。
特捜最前線や太陽にほえろなど、僕が見てきた刑事物のシリーズで、何度もこのパターンの話があった。理由は政治家がらみの汚職だったり、偉いさんの息子が事件に関わってたりと色々なのだが、だいたい、上層部から「捜査をするな(やめろ)」という圧力が掛かり、みんな悔しがって一旦捜査は打ち切るが、結局、捜査を再開し、様々な圧力をかわしつつ、真犯人を突き止めるみたいなパターン。今回の相棒も例に漏れず、右京と冠城は上層部から呼び出され圧力を掛けられるが、2人はいつものように無視して普通に捜査する。新日本の上層部から煙たがられ、アンドレにセメントを仕掛けられた前田日明みたいなもんやね。違う?
なんやかんやあって、結局は自殺だと分かるのだが、これは新しい展開。これまでの刑事物でよくあった話は、口封じのために自殺と見せかけて殺されていて、真犯人が見つかるのだが、今回はホンマに自殺。ただ、その自殺の原因は本社の指示で不正に加担したことで、その本社の責任を明らかにするために、同僚が自殺を殺人に偽装したという形。
この2重になっている感じはホンマにうまいし、面白い。特捜最前線の「殺人トリックの女!」の荒川と見せかけて多摩川と見せかけて荒川、みたいな展開。あれ? 多摩川と見せかけて荒川と見せかけて多摩川やった? まぁ、どっちでもええか・・・。
最後は、死体損壊の容疑で発見者の山野さんを捜査一課に逮捕させ、取調べで犯行は認めた上で動機を黙秘、その動機を立証する証拠として足立の遺書とUSBを提出し、事件の奥に潜む巨悪を暴いていくという流れ。ここで因縁がある連城弁護士に依頼するのもしびれたな。
前田日明対策として因縁のある上田馬之助を本体側に付かせた猪木の策みたいやった。え? これも違う?
シーズン18の最後から2回目の回ということで、大きな事件かと思い、期待しながら視聴したが、そんなに大きな事件ではなかった。でも、山野さんのキャラクターもよかったし、単純な話やのに、奥が深くて、面白かった。さすが、大ヒットシリーズの相棒、ええスタッフ揃えてますな! いや、誰からの目線や!?