スタート当初は「恋もグルメも謎解きも、なんて欲張りすぎ!」と、とりあえず観てみようくらいの軽い気持ちで観始めたこのドラマ。
案の定なかなか入り込めず、ちょっと安っぽく感じてしまうストーリー展開や、学芸会のような妄想シーンでの出演者のコスプレによる小芝居とか観ている方が小っ恥ずかしくなるような内容にいつ脱落してもおかしくないなと思っておりました。
しかも、このドラマのヒロインはな~んにもしない。
ドラマを引っ張る訳でもなく、ボケたり突っ込んだりする訳でもなく、ただ座って無機質に謎解きをベラベラと喋ってるだけ。
いくら何でもあんまりな・・・と、それでも何気なく毎週ながら見していたのですが、そこへ救世主が現れました。
この物語は、主人公・天野ゆいか(山本美月)と会社の同僚・阿久津麗子(トリンドル玲奈)が毎回ランチ合コンに精を出すというタイトル通りのストーリー。
彼氏にフラれたばかりの麗子が、新しい恋人を探すべく次々と合コンを企画してゆいかを連れ出していたのですが、あまり人には興味を示さないゆいかが都合良く毎回話題になる“謎解き”に夢中になるという展開です。
その合コンの場になぜか毎回出現して会話に割り込み、的外れな謎解きを披露してゆいかに論破される謎の男・・・。
そう、“洗濯愛してる会”のCMに登場している坂口涼太郎さん。
彼の登場でドラマに楽しみを見出したことで引っ張られ、最後まで視聴することができました。
第1話では坂口さんがどういうポジションのキャラなのかよくわからなかったのですが、ほんの数分の出番にも関わらずクセは強いが芯のある演技力で魅了。
続いて2話にもまた合コンの場に登場したので、「あ、これは毎回色んな格好で出てくる人なんだ」と理解。
その次からはいつどんな格好で、どんな風にゆいかに論破されるのか?と楽しみになりました。
途中、「ゆいかを危険な目に遭わせようとする男」とミスリードされましたが、最終回には名前も素性もわかり一件落着。
坂口さんの見事なコメディ筋肉は、いろんなドラマでとても活かされる存在になるのでは?
ただし、アクが強いのでそれに負ける俳優さんとはキャスティングされにくいかもしれませんけどね。
でも、とてもいい個性を持った俳優さんだと思うので、今後の活躍も楽しみにしたいと思います。
そして、もう1人。
大健闘したのは、麗子役のトリンドルちゃんですね。
特にお芝居が上手いという訳でもないのですが、このドラマでは動かないヒロインのために1人でボケたりツッコんだり、笑ったり泣いたり怒ったり、ありとあらゆる「動」の部分を1人で引き受けて奮闘してくれました。
途中で、「もうこのドラマの主役は、トリンドルちゃんってことでいいんじゃね?」とまで自分は思っておりました。
それでも、その頑張りが少しずつ物語も動かし、人との関わり方がわからなかったゆいかと友情が芽生えていく過程はほのぼのとしていて良かった。
そしてその変化があったからこそ、ゆいかの過去が明らかになる最終回へと繋げることができたのではないでしょうか。
おかげで、唯一ゆいかが頑張った最終回はとても気持ち良く観られました。
ゆいかの謎も、麗子の恋の行方も、その他ちょこちょこと散らばっていた謎がほとんどこのドラマらしい収まりを見せてくれた良い最終回だったと思います。
途中からレギュラー入りした合コン相手のイケメン枠だった竹財輝之介さんは、密かにお気に入り。
今、フジテレビの深夜で再放送中の「きみはペット」でもそのイケメンぶりが光っていますし、昨年放送されたFODドラマ「インディゴの気分」での名演でも注目しております。
まだあまりGP帯ドラマでは目立ちませんが、いずれもっと脚光を浴びるのでは?と期待しております。
是非、名前と顔を覚えてくださいね!
ドラマ内では、麗子と何とか付き合えそうな?というところで終わりましたが、きっといずれ上手くいくのだろうと想像しています。
もう少し活用しても良かったんじゃ?という気もしますが、控えめな下支えに終始したキム兄と池谷のぶえさんにも拍手!
最終回が気持ちの良いものだと、誰かに「あのドラマどうだった?」と聞かれた時に素直に「面白かったよ」と答えられますね。
これもまた“終わり良ければ、すべて良し!”なドラマでございました。