武志のドナーはなかなか見つからず
喜美子は大崎先生に患者の会を紹介してもらいます。
そこで代表の日高さんなる御婦人が喜美子を一目見るなり
「よう頑張ってはる」と笑顔でハグしてきました…
正直ね、「えぇ?何も知らんのにいきなり頑張ってるとか
ハグとかないわ〜この人もしかして、頑張ってる人に更に
頑張ろう☆とか言っちゃうタイプだったらどうしよう…」と
引き気味で見ていたところ、
同じように白血病の息子を持つ
智也くんのお母さんも、きつい口調で
「うちの子はもう未来に希望が持てないところまで進んでいる。
2人のお子さんたちとは違う。」と吐き捨てるように言い残して
その場を離れてしまいます。
あぁ…そりゃドナーの話とか明るめに話されたら
逆にしんどいよなぁ…八方塞りだもんなぁ。と思ってたら
喜美子が智也くんのお母さんのところに戻ってきて
こう伝えるのです。
「日高さんの娘さんは、既に亡くなってる」と…
わたくし、正直言いますと日高さんのような
親切の押し売りに見える方は苦手でして…自分のペースで
頑張ってるのに「まだまだ!もっと頑張れるよ!
一緒に頑張ろうよ!」などと言われると、途端にスン…と
冷めてしまうのですが、こうなると…
日高さんはお嬢さんを亡くされたうえで、救われたのが
誰かの明るさだったのかもしれない。自分が救われたぶん
誰かの手助けになりたい…そういう熱意を持って
患者の会を発足したのかもしれません。
誰かの心を軽くするために、自分がしてほしかったこと
「頑張ってると声を掛ける」「ハグをする」を
喜美子にしただけなのかもしれません。
だとすると、日高さんもきっとたくさん泣いて悲しんで
その上での行動だから、決して押し売りではなく
心から何とかしたいと思った上での行動なのでしょう。
現に智也くんのお母さんが去った後、辛そうな面持ちで
座ったままのシーンが有りました。
そこには、声を発するわけでもなく
黙ったまま同じように座り続ける大崎先生の姿がありました。
本当にしんどい思いをしてる人に寄り添うのに
わたくしには一体何ができるのか…そう考えることはしばしばあります。
喜美子のように陶芸家なら、かいらしい絵皿をプレゼントするのも
素敵なことだと思うし、大崎先生のようにただ黙って
同じテーブルに座って時を過ごすのもいいのかもしれません。
わたくしには何ができるだろう?
改めて自問自答する、考える…そういう回でした。