昨年BSにて放送され、今年に入ってから土曜日の夕方6:05~『土曜時代ドラマ』の枠にて再放送されている清原果耶さんの主演ドラマ。
このクオリティの時代劇は、今やNHKでしかほぼ観られないのが残念ですね。
とても、良いドラマです。
大河ドラマのような歴史ものも良いですが、こういう江戸の町の人たちの物語というのもとても興味深い。
果耶ちゃんが演じる主人公・菜々は風早家の奉公人ですが、実は武士の娘。
奉公先の主人・風早市之進(町田啓太さん)は藩内の不正を正そうとしていましたが、そのことである人物に陥れられようとしていました。。
その人物とは、菜々の父親も同じように無実の罪で切腹に追い込んだ轟平九郎(北村有起哉さん)・・・!
市之進の妻・佐知(谷村美月さん)が病で亡くなり、「旦那様と子供たちを守る」と佐知と約束した菜々は、市之進が罪を着せられて江戸送りにされてしまった後、周囲の人たちの助けを得ながら子供たちを必死に守っていきます。
質屋の舟(濱田マリさん)や儒学の師・椎上先生(石橋蓮司さん)、剣の達人である五兵衛(松尾論さん)に助けられながら、市之進を救う手立てを考えている・・・ところです。
第5話ではこの仲間にヤクザの湧田親分(宇梶剛士さん)が加わるか?という展開だったのですが、平九郎の魔の手は菜々にまで及び・・・。
果耶ちゃんが演じる菜々は、奉公人となりながらもどこか武士の娘らしい凛とした雰囲気が漂います。
果耶ちゃん、着物姿もいいですね~。時代劇でも、違和感がないのは素晴らしい。NHKとの相性もいいのかな。
これからどんな女優さんになるか楽しみですが、個人的な意見を言わせていただくと、どこかでちょっとグレた方がいいかもしれません(笑)
キレイな役ばかりやっていると、面白味のない女優さんになっちゃうので・・・。
市之進を演じている町田さんの髷姿も、想像以上に似合っていてビックリ!
若手の俳優さんやタレントさんって、顔も現代風だし腰の位置が高い(足が長いというだけでなく、姿勢の問題もあります。)ので決定的に髷や着物が似合わなかったりするんですけど、町田さんは比較的濃いめなお顔立ちなのにここまで凛々しいとは・・・。
演技力はさておき、鑑賞用としては申し分ない!(笑)
いや、この役はとてもハマっていると思います。NHKはドラマ自体の枠組みがしっかりしているから、民放ドラマよりちゃんと演者さんの良さを引き出してくれる作品は多いですからね。
でも何と言っても、北村有起哉さんの悪の魅力が堪りませんっ!
もう憎たらしいのなんの。
それでも、やはり所作や殺陣も安心して観ていられて惚れ惚れしてしまいます。
他のキャスト陣も豪華で、第5話では朝ドラのフカ先生役のイッセー尾形さんも登場。今後の市之進の命運を握っている・・・かも?
歴史ものって、すでに知られている登場人物も多いのでイメージと違うとがっかりしてしまったりしますが、こういう時代劇は素直に物語や登場人物を観ることができるのでそういうところが好きですね。
特に、「人情」が感じられると、懐かしさや温かさを感じます。
しかも、このドラマは“あだ討ち”が主軸。
展開も充分に胸が熱くなる内容です。
時代劇は本当に数少なくなってしまいましたが、やはり見応えがあって面白い。
予算の面だけでなく、時代劇ができるスタッフさんも少なくなってきているのでしょうし、俳優さんたちも時代劇の所作ができない人ばかりになってしまっています。
着物を着てカツラを被ればいいってもんじゃないですから。
でも、こういった時代劇は日本独自の文化ですから、そういうものを描くドラマは無くなって欲しくない。
ちゃんと時代劇が撮影できる環境は伝承していったらいいなぁ・・・と思います。
かなり現代風にアレンジされた“なんちゃって時代劇”は、そこそこありますけどね。それとはまた違う、ちゃんとした時代劇は守っていきたいですね。
全7話ですので放送はあと2回。
観る機会がある方は、是非。