前回は圧倒的に「春田と牧」不足の回であったが、この第4話では、ようやくふたりの関係に大きな動きがあった。

武川さんが牧の元彼であったという事実に大いに驚かされた。彼はどう見ても「春田狙い」のように描かれていたので、制作側のこの巧みなミスリードは本当に上手いなぁ、と感心してしまった。
この元彼の存在により、春田の中に、嫉妬のような、焦りのような、本人にもよく分からないモヤモヤした「何か」が生まれる。この心境の変化にはとてもドキドキした。
友達であり、同僚であるだけのはずの牧に対して、春田がいだいた不思議な感情。これは、この時点ではまだ「恋」ではない。恋という気持ちにはまだ至っていないけど、でも武川さんの元には返したくない、という春田の素直な気持ち。ラストのあのバックハグには、戸惑いつつも牧に惹かれ始めている春田の内面が絶妙にうまく表現されていて、牧を自分のそばに置いておきたいという、春田の「本能」が垣間見えた、とても良いシーンだった。

いくら幼なじみとはいえ、男性ふたりが暮らしている家に泊まりに行くというちずの行動は理解不能だった。ましてや、ちずは牧が春田に恋をしていることを知っているのだから、あの行動は本当にありえないし最低。
ちずについては「いい子」「さっぱりしていて良い」等の、いい評価が多いが、私はどうにもこの第4話での彼女が好きになれないので、彼女の恋を応援したいという気持ちにはなれない。

春田とちずの仲睦まじい関係を見て、自虐的に笑う牧の表情は、どこまでも切なくて苦しい。元彼からのアプローチに揺れて、それでも叶う可能性のない春田への想いを捨てきれない牧。彼のこの恋がいつか幸せに実るのを見たいと切実に思った第4話だった。