前回が、部長の恋を中心に描いた回だとしたら、第2話は、春田への切なく苦しい想いを抱えて苦悩する牧がメインの回だった。

このドラマは、部長をヒロインと謳っているが、牧だって、少女漫画によく出てくる、報われない恋に悩む乙女(男だけど)の姿そのものだ。
本当は好きなのに、今の関係が壊れるのが怖くて素直になれず、告白さえ冗談だったと笑い飛ばして、なかったことにしようとする。でも好きな気持ちは抑えられず、ますます大きくなっていき、諦めることなんてできない。叶わぬ恋に悩む牧の様子はリアルで、その苦しさはとても共感できた。
居酒屋での再告白も、シャワーでの告白と同じように感情が暴走していて、それを受けた春田も思わずケンカ腰になってしまっていた。けれど、公園での、再々告白ともとれる、穏やかなおでこキス。「普通には戻れない」と、友達(同僚)同士ではいられないことをはっきりと告げた牧と、ようやく牧の感情にまっすぐに向き合い、逃げずに受け止めた春田。美しすぎて、でも切なくて、心がぎゅっとなるシーンだった。

屋上での牧vs部長のバトル。春田が好きすぎて語彙力が崩壊する部長と、好きな人のいいところではなく悪いところをスラスラと挙げられる牧。形や表現の方法は違うけど、同じ人を好きになり、同じように片想いしている、ライバル同士。
いい歳をして、しかも業務時間中に、むきになって取っ組み合いのケンカを始めるふたりの姿は、つい笑ってしまうけど、どちらも本気で恋をしているということがよく伝わってきた。
いくつになっても、立場がどうであっても、性別が何であっても、本気で恋をする姿ってすばらしい。そんなことを思わせてくれた第2話だった。