1〜5話まとめ
こんなにも不可解な人の繋がりと関係性、行動を描くドラマがあるだろうか。
深田晃司監督は映画でじわじわと色んなものが回収されていくから不可解な行動の意味や繋がりがすぐに点と線で結び付けられていきなるほどとなるが、ドラマだと先が見えなさすぎて本当に気味悪い展開がずっと続いていく感じ。
ドラマなのに長尺の映画を観てるような感覚で、不可解さが広がっていくだけで何も回収されていかない。
辻すらもまともに見えなくなってくるくらい、まともじゃない登場人物たちとそれらの行動が出てくる。
辻が浮世を助けようとする気持ちもわからなくはないが、その助ける行為も度が過ぎてきている感じがしてなんか全てがおかしい。
結局それっぽいことは表に出してないけど、浮世のことに夢中になっていて勝手に振り回されにいってる。
なのに恋愛のような関係にはなっていかない。
浮世は確かに変な魅力がある。
なんか絶妙に人たらしで世話を焼きたくなるような放っとけない感じ。
めっちゃ可愛いわけではないけどなんか弱々しくて可憐。
素通りができない人間味を持っている。
こういう人こそ終わりなく引き込まれていってしまう。
とはいえ付き合うというのもなんか違う。
本当にこの気味悪さは何なんだろうか。
こういうドラマこそ物凄く展開が気になる。
何か背景や裏があるに違いない。
でもそれすらも裏切られる可能性がある。
ドラマでも深田晃司ワールド全開で、鑑賞を続けたくなる気味悪さは健在。
ドラマだとすぐに明らかにならないからよりもやもやが募っていき、脳内シェアを奪われる。
そういう意味では作風的に、意外とドラマ向きでもある監督なんだなと。
破滅へのお膳立ては着々と進められている感じはあるが、ここから何が起こっていくのか。
大丈夫ではあると思うが、「あなたの番です」みたいな感じにはならないで欲しいと願うばかりです。