6月6日（土）から、フジテレビの＜オトナの土ドラ＞枠でスタートした「犯罪症候群season2」
このドラマは東海テレビとWOWOWの共同制作で、「season1」は同枠にて2017年4月クールに放送。
「season2」は、ＷＯＷＯＷにて6月に放送。

自分はseason1にかなりハマったのですが、ＷＯＷＯＷには未加入のためseason2は諦めてかけていました。それだけに今回は次回作のドラマが延期となり、急遽ではありますが嬉しい地上波初放送となりました。
（「13」は、待っていれば放送されますもんっ）

「心に獣を飼っている元刑事」「未成年者犯罪に対する怒り」等々、起こる事件も含めて重たく辛い展開であることは事実。加えて笑いどころも全くなく、ひたすらに精神を抉られるドラマであることはもまた事実であります。

しかしながら、潔いまでに物語の世界観を貫いているところが観ていて気持ち良く感じてしまったり、ストーリーにのめり込んで辛さを感じなくなったりするのが凄い。（自分だけかも？）
ドラマとしての見応えは十二分にある作品でございました。

season1では、妹を未成年者に殺され、その犯人に殺意を抱いて殴りかかってしまったことで警察を辞めて細々と探偵事務所の調査員をしている元刑事・武藤隆を玉山鉄二さんが熱演。

その武藤に接触し、捜査を裏で手伝うよう依頼する警視庁人事二課に所属する環敬吾を渡部篤郎さんが怪しく演じました。

環は情け容赦なく武藤を利用し、渋々手伝い事件を追う武藤は自分の中の獣と葛藤。
玉山さんの苦悩の表情が素晴らしく、「なんていい俳優さんなんだー！」と作品の出来栄えと共に魅せられたseason1。

その武藤を心配し、常に気に掛ける谷原章介さんが演じる先輩刑事・鏑木護は武藤の妹の婚約者でもありました。
武藤と違って冷静沈着に怒りを封じ込め、警視庁捜査一課の刑事としての職務を続けていました。

が！が！！です。
season1の最終回で、「えーーーー！」という嫌なフリが。
そのままseason1は終了し、season2ではその鏑木が主役の物語となります。

season2では、「少年犯罪を考える会」なるものが登場。
その代表・牧田を演じるのは板尾創路さん。そして、その会員で牧田の命で行動している女性・矢吹響子を木村多江さんが演じます。

最近、板尾さんとドラマで遭遇率が高いなー。
今再放送されているドラマはあまり観ていないのですが、中でも本放送からお気に入りだった「グッド・ドクター」は観ていますので、そちらでは病院を牛耳ろうとしている副院長役でご出演。
先日までＮＨＫの土曜時代ドラマ枠で放送されていた「雲切仁左衛門3」でも、中井貴一さんを殺そうとする刺客の役で、無駄にカッコ良さげなんだけどヘタレだった役で出ておられました。
かなり、ドラマに出演されてますよね。

悪役が多い印象ですが、さて、この「犯罪症候群season2」ではどんな存在となっていくのかには注目したいと思います。

木村多江さんも、こういう不思議な雰囲気の女性を演じさせたら右に出るものナシ！といった感じ。
第1話では襲われるシーンがありましたが、助けられた後の憎悪と悔しさの表情がなんとも言えず素晴らしかった。
何か、彼女の過去もその辺にあるのかな？と思わせられる、とても印象的なシーンでした。

さらには、息子をリンチによって殺された被害者遺族として会に参加する野間口徹さん。
会とは別の存在のようですが、息子のために（ネタばれになるのでやんわりと･･･）何かを狙っている手塚理美さんなどなど、演技力の確かな俳優さんたちによる奥が深い展開にseason2も第1話から引き込まれてしまいました。

どうも、この「少年犯罪を考える会」は現代の必殺仕事人チックな･･･？
とも思えるのですが、その仕事人として未成年者の悪党を成敗するのは･･･ナ、ナ、ナント！でございます。

早く続きが観たい！と同時に、望まない2人の対決になりはしないかと心配も。

玉山さん演じる武藤は、相変わらず環に振り回されておりますがどこかスッキリした表情になっているような気がしました。

しかーし！この環も相当なクセもの。
何を考えいるのか。敵か味方か。善人か悪人か。
さっぱりわからないところは、渡部篤郎さんの演技の真骨頂ですかね。
それでも、作品自体がとても描写が丁寧なので、その掴みどころのなさは軽薄というよりは興味を持たせてくれる厄介なキャラと言ったところでしょうか。
「10の秘密」の時とは比べ物にならないくらい、興味ある謎の人物になっています（笑）
もしかすると、この環は今回もある程度真実を掴んでいるからこそ武藤に調査を依頼したのかもしれませんよね。
とすると、環の目的は･･･？
あー、色々と気になる！

season1にハマった理由の1つとして、劇伴がかなり好みだったこともあります。
特にメインテーマは、どこか不安にさせられつつも引き摺り込まれていく感じがドラマにピッタリ。
音楽を担当しているやまだ豊さんを調べてみたら、「わたしを離さないで」でも音楽を担当された方でした。

あのドラマも、確かに音楽は大好きだったなぁ･･･。
さらに、あの劇中で流れていた「Never Let Me Go」もやまださんの作曲！
やまだ豊さん･･･これからもチェックしよう。

やはり、劇伴もドラマの重要な要素の1つですから。

「season1を観ていないので･･･」という方でも、また違った視点で描かれていますので大丈夫。
ただし、もし観られるようならseason1も観た方が、より鏑木・武藤・環の3人の人物像やseason2のストーリー展開も楽しめることは間違いありません。

ＷＯＷＯＷが共同制作しているので、やはりドラマとしてはレベルが高いです。
全4話なので、どうかお見逃しなく！

秀逸な劇伴と共に、人間の弱さや強さを是非味わってみて欲しい作品です！