家康と秀忠、秀忠と家光の親子関係が、時にコミカルで人間臭い。でも決してホームドラマにならないのはさすが。
狸おやじな家康(津川雅彦)に叱られる秀忠(西田敏行)のリアクションが特にツボです。時々妙に可愛くなるお江(岩下志麻)とか、やりてババアな春日局(樹木希林)とか、時空を超える狂言回しの光圀(中村梅雀)とか、各登場人物のキャラ立ちが素晴らしい。
ありそうでなかった、徳川家の家康から家光までの流れを緩急取り混ぜて書いた作品。
戦があった時代から、戦がおさまったにもかかわらず政争のトラブルが絶えなかった江戸幕府初期、世の中の平定を目指す家康らの奮闘と、さらに家をつないでいく跡継ぎ争いが、割と史実に忠実に描かれていて、おもしろかった。
これを見ておけばだいたいこの事態のことは理解できる、そういう作品。