深夜枠で放送されていたテレビドラマですが、非常にクオリティが高いと感じて観ていました。ストーリーは一見暗そうなテーマを扱っていますが、全体的に暗いという事は一切なく、むしろ終始ポップなテイストで物語が展開していきます。脚本と演出が秀逸と言っていいレベルだと思います。
そして特筆すべきは出演者で、主演の濱田岳さんをはじめ、松尾スズキさんなど周りを固めているキャストも芸達者な方ばかりで深夜ドラマに良くこれだけのキャスティングが実現したなという印象です。近年深夜ドラマの躍進はすごいものがあるので、その結果こんな豪華なキャスティングが実現しているのかもしれません。ゴールデンのドラマよりも面白いドラマがゴロゴロしている印象ですし。
濱田岳さんは役柄にも見事にハマっていて、人間味もあってとても魅力的な人物を作り上げてくれていました。松尾スズキさんとの芝居は呼応している感じがすごくあって観ていて毎回ワクワクさせて頂きました。荒川良々さんの起用の仕方も素晴らしく、特性を素晴らしく活かしているという印象です。北原里英さんは特徴のある役で演じやすそうだなぁと思うと同時にもっと楽しんでやりきってほしかった感もありました。ただ松尾スズキさんがきたりえ演じるレモンを紹介する時に『なぜかカラマーゾフの兄弟の上巻だけを繰り返し読んでいる』と紹介した時は声を出して笑ってしまいました。こういったセリフを吐く時の松尾スズキさんのコメディセンスは本当に半端じゃないと思います。普段の芝居から常に面白いですが。
そして前野朋哉という俳優がこのドラマですごく好きな俳優になりました。とても面白くていい俳優だと思いますのでこれからさらに活躍してほしいです。仲里依紗さんもさすがの演技を見せてくれています。
白石和彌監督ということでつまらないことはないと思っていましたが、思っている以上に面白いドラマでした。個人的にはかなりお薦めです。しっかり感動もできるドラマです。
ちなみに途中から田中哲司さんまで出てくるので、本当に豪華です。