俗に言う"あな番ロス"というやつだろうか。
次の日曜日はどう過ごせば良いのか…
それはそうと、全体の感想を。
まず良い部分としては、やはり役者さんの演技ではないだろうか。
主演の田中圭さん始め、生瀬勝久さん、田中哲司さん等の演技力。
視聴者を画面に引き付ける魅力がある。
特に田中圭さんに関しては、この人なしではこの作品は成り立たなかったのではないだろうか?そう思わせる程のものだった。
特に最終話の黒島とのやり取りは鳥肌モノだった。
次に、脚本。
当初『毎話誰かが死ぬ』というコンセプトに対しては「大丈夫か?」と思っていた。
それはネタギレと雑な展開を危惧したからである。
その不安は的中し『袴田吉彦』辺りから暗雲が立ち込める。
だが『反撃編』が始まるとその暗雲は何処へやら、これでもか!というくらいの謎の回収と怒涛の展開。
その勢いが衰える事なく、最終話に至るまで書ききったのではないだろうか。
そしてその脚本を引き立てる演出。
毎回引きが強く、見続けた理由の一つは間違いなく演出にある。
恐怖や不快感の演出と、幸福感や日常的演出の緩急があり、見ていて引き込まれるものがあった。
個人的に不満だった所としては、黒島に関する部分と終わり方である。
まず黒島に関して。
『犯人が黒島』それは妥当だと思う。
ある程度、勘が働く方なら早い段階で目星を付けていてもおかしくない。
かく言う私もその一人で、犯人、もしくはそれに近い人物だと思っていた。
だが、幾度となく出てくる「黒島ちゃんも怪しい」「黒島ちゃんの事も疑っている」「AIが導き出した」等々の黒島への疑惑。
そう言われてしまうと「黒島はミスリードか?」と裏を読んでしまった。
しかし、結果としては、犯人は黒島だった。
明かされた時は思わず「まだ分からない」と思ってしまった。
まさか、視聴者に教えているとは思ってなかった…
まあ、それは良いとしても、「過去話をhuluで!」というのは良くない。
ある意味、商売としては正解かも知れないが、印象としては最悪だった。
そして、オチ。
『事件はまだ終わっていない…』というよくあるオチではあるのだが、明らかに登場人物の中で一人語られていない人物がいるので、出し惜しみを感じてしまった。
恐らく年末年始あたりに、本編ダイジェストとあの続きを放送するのではないだろうか。
と、思っていたのだが、どうやら噂では『hulu』で特番を配信するらしい。
『全ての謎が明らかに!』的なコンセプトで配信するらしいのだが、それが本当だとしたら残念でしかない。
総括すると、役者さんは素晴らしく、謎を回収する脚本と、引きの上手い演出も良かったが、捻りがない犯人とお金の臭いを感じさせたオチには不満が残る結果だった。
ただ、それでも近年では珍しく夢中になれたドラマであり、素晴らしい作品だったと思う。