竹野内豊演じる宮本良一が、寿命が近いから娘を任せる人と結婚したいというところから始まる本作。
その考え方に賛否両論もあるかもしれないが私はまずそこに愛を感じる。結婚相手が亡くなり、自分も人生が残り短いとなったらどうするだろうかと考えさせられた。
最初は完全に偽装結婚だった。
偽装結婚だと最近だと「逃げ恥」が記憶に新しい。
「逃げ恥」同様に最後に愛は見つけているが、本作はそんな単純なもので
はない。
娘を任せる人から妻になり、義母から憧れの母になり、それぞれの立場で感情、関係性に変化があり、偽装結婚という常人が経験しないストーリー
でありながらもまっすぐで非常に共感できるものであった。
娘の焼学制期、高校生期という2フェーズに分かれていたのも個人的には良かったと思う。
娘を演じた上白石萌歌さんの演技、役への入り込みが素晴らしかったと思う。なんとなく義母すごい、みたいな感じから義母の働き、そこへの干渉などから成長し、自分がどんなことをしたいのか、何を学びたいのか、そ
のためにどんな意思決定をすればよいのか。高校生フェーズに入った最初の頃は最後のみゆきは想像できなかった。
恥ずかしながら「ブルース」という言葉を具体的に調べたのはこのドラマを見てからだった。おそらく、私同様の方もいるのではないだろうか。
意味としては端的に、別れ・孤独・哀調というようなものだ。ドラマを見て、タイトルについて調べ、改めて素晴らしいドラマだと感じた。みゆきを中心としてブルースの連続。
どこかハッピーなのにブルース。不思議なものだ。
キャリアウーマンのあきこさんから学ぶところあり、ブルースをうけたみゆきから学ぶところあり、それぞれに成長と変化ある名作でした。