今季、ずっと見逃せなかったこのドラマ。古きよき風情と人情を残す神楽坂。その動物病院を舞台にペットたちを巡る人のつながりの物語。
カワイイだけではなく、高齢化などペットを取り巻く現代ならではの問題も取り上げていて、毎回、癒され、
一方で考えさせられてきました。
こんな切ないラストが待っていたとは。お互いに惹かれはじめていたコオ先生とトキワさんの前に、南米で行方不明になっていたトキワさんのご主人が帰ってくるなんて！しかも記憶を全て失っていたなんて！
驚き、悩むトキワさん。けれど、コオ先生はいつも飼い主さんの意向を汲んでいるように彼女の思いを優先し、トキワさん親子は九州に旅立ちました。
今季の他のドラマには、略奪愛や規律をはずれた愛をセンセーショナルに取り上げたものもあるなかで、こんなにも自分の欲求を押し留め、相手の立場を第一に考える静かな愛の形があるとは。また、せっかくのアメリカ派遣の話も駆け出しの堀川先生に譲りました。コオ先生の深い優しさと人としての大きさにいっぱいになりました。
コオ先生が一人号泣する場面。普段穏やかなコオ先生が感情を爆発させ、また相葉雅紀についてもこれまで激しい気性の役柄を演じた記憶が私にはなかったので、胸に迫りました。でも、コオ先生のことだから、翌日はまた何もなかったかのように、いつもの優しい笑顔で皆に接するのだろうな。うーん、切ない。
神楽坂のコオ先生のペットの地域医療にかける日々はこれからも続きます。私には、トキワさん親子との別れで、感動したのだけれど、何か忘れ物をした気分が残りました。
周りの人物も皆魅力的。看護師としては優秀だけど料理がからきしダメなトキワさん、血のつながりは無いのに実の息子のように彼女になついていた生意気な大地くんも、私大好きだったから。
いつかトキワさん親子が本当の笑顔を見せてコオ先生に会いに来てくれないかな？続編を熱望せずにはいられません。