14世紀中期の高麗時代に実在し、貢女という低い身分から最後には皇后としての地位をしとめるまでの生涯を実在しない登場人物も加えた壮大なスケールの時代劇となっています。チュ・ジンモ演じる高麗の世子から王となった「ワン・ユ」、また元の皇太子チ・チャンウク演じる「タファン」との間で揺れる女心を見せる「奇皇后・スンニャン」をハ・ジウォンが演じています。登場人物がかなり多いので彼らが周囲にどう関わっていくか、どう考えが変わるかなどが面白かったです。
ワン・ユの男らしい、頼りがいのある姿、タファンの弱虫で頼りないが母性本能をくすぐる姿を対比して三角関係をとらえ自分ならどちらをとるかを考えながらみると
盛り上がると思います。
ここで目を引くのは壮大なセットとエキストラの数。いかに時間とお金をかけて制作したドラマかなのかが伺えます。
母の仇を打ち、巨頭ワン・ゴに復讐するため、身分を隠し男として育ったスンニャンは、持ち前の気の強さと弓をはじめとする武術の達人で強く生き抜きます。
男性としての弓を操る勇ましい姿、元に貢女として送られ雑用係から側室になり、のちに皇后として昇りつめた姿などの変化は必見です。
皇后としての地位を得た時の信念を貫き通す誇り高き姿は目元に現れていて、演技が本当に上手な女優さんだと思います。
ふたつの国とふたつの愛で揺れ動くスンニャン、政略結婚を選んだワン・ユに対するかなわぬ気持ちと誇りがタファンの側室に入るという決断をさせたシーンは
本当に胸が痛みました。最後にはタファンが命を懸けて皇后を守り愛をつら抜きとおした姿も感動しました。
次々に襲い掛かる試練を着実の乗り越えますが、後宮を牛耳ろうと画策するパク・ジニ演じる「タナシルリ」との争いやキム・ソヒョン演じる「皇太后」との掛け合い
もドキドキハラハラの連続でした。
元と高麗の壮大な国力の争い、誰を信じていいのかだましあいの権力闘争、など時代に翻弄されながら常に母国高麗を思い続ける姿は本当に胸を打たれました。
元にいながら高麗を守るという形を貫き通した生き方はあまりにもカッコよすぎて、ドラマが終わった後なぜか喪失感が生まれました。