“誰か”をずっと探している。それは恋人でも、友人でも、オンラインでもリアルでもいい。人は、人を想うものだ。いつだって心のどこかで理解者を探している。
そんな当たり前の慕情を、優しく描いたドラマ。それが『ユニークライフ』だ。主人公は、自閉症スペクトラム障害を抱える青年。恋に憧れつつ、なかなかうまくいかなくてもどかしくて、人を傷つけてしまって自分も傷ついて……ほろ苦い経験に苦しむ。自閉症との闘いは大変で、自分が思った通りに人と接することがなかなかできない。でも、心配性な母親や不器用な父親、しっかり者の妹がついていてくれる。
このドラマは、主人公が成長していくストーリーではあれど、...
“誰か”をずっと探している。それは恋人でも、友人でも、オンラインでもリアルでもいい。人は、人を想うものだ。いつだって心のどこかで理解者を探している。
そんな当たり前の慕情を、優しく描いたドラマ。それが『ユニークライフ』だ。主人公は、自閉症スペクトラム障害を抱える青年。恋に憧れつつ、なかなかうまくいかなくてもどかしくて、人を傷つけてしまって自分も傷ついて……ほろ苦い経験に苦しむ。自閉症との闘いは大変で、自分が思った通りに人と接することがなかなかできない。でも、心配性な母親や不器用な父親、しっかり者の妹がついていてくれる。
このドラマは、主人公が成長していくストーリーではあれど、身の周りに当たり前のようにあった優しさに気づいていく過程も描いている。個人的には、それがとても素敵だと思うのだ。自分が生きているということは、周囲に生かされているということでもある。沢山の善意に囲まれていて、心が疲れたときなんかにこの作品を観ると、「温かいなぁ」とほっこりする。
主人公が親しみやすいキャラクターなのも好印象。ペンギンと南極を愛する彼は、比喩表現や忖度することが苦手。ストレートな物言いで女性を傷つけてしまうこともしばしば。でも、実は誰よりも傷つきやすい人物。そして、一生懸命だ。自分の欠点を克服しようと努力するし、いつも他者を愛し愛されようとしている。その部分がしっかりと描かれているからこそ、観る側も自然と応援できる。
『Love,サイモン』や『スウィート17モンスターズ』『セックス・エデュケーション』など、悩みながら成長していく青春映画やドラマは近年ますます素晴らしい作品が増えてきた。本作もまたその系譜にありながら、それでいてやっぱりあったかい。