かつて、『Stand Up!!』というドラマがあった。二宮和也、山下智久、成宮寛貴、小栗旬という豪華スターが「セックスしたい! 童貞卒業したい!」と叫ぶ超センセーショナルな作品だったが、抜群に面白かったのを覚えている。そこには、若者のほとばしるエネルギーと、まっすぐな苦悩が描かれていたから。
本作を観たときに、あの当時の興奮がよみがえってきたような気がした。『セックス・エデュケーション』は、Netflixらしく過激なワードが連発し、ヌードも普通に出てくる青春コメディドラマ。セックス・セラピストの母親を持つ童貞、親友のゲイ、ハーレイ・クインのような派手な外見で●ッチ呼ばわりされている...
かつて、『Stand Up!!』というドラマがあった。二宮和也、山下智久、成宮寛貴、小栗旬という豪華スターが「セックスしたい! 童貞卒業したい!」と叫ぶ超センセーショナルな作品だったが、抜群に面白かったのを覚えている。そこには、若者のほとばしるエネルギーと、まっすぐな苦悩が描かれていたから。
本作を観たときに、あの当時の興奮がよみがえってきたような気がした。『セックス・エデュケーション』は、Netflixらしく過激なワードが連発し、ヌードも普通に出てくる青春コメディドラマ。セックス・セラピストの母親を持つ童貞、親友のゲイ、ハーレイ・クインのような派手な外見で●ッチ呼ばわりされているが実は苦学生の女子。この3人を中心に、様々な若者たちの性の悩みに向き合っていくストーリーだ。
あくまでテンションはコメディで、爽やかな下ネタの連打に思わず笑ってしまう。決して大人たちの目線で下世話に作為的に描くのではなく、青少年のリアルな悩みとしてつづるから観る側も安心できる。つまり、何かを貶めるような目線では行われていないということだ。毎エピソード、誰かの性の悩みを解決するという作りも面白い。プレッシャーがかかって絶頂に達せないカップル、電気を消したい彼女と裸を見たい彼氏、セックスに憧れているが相手がいない処女など、悩める若者たちが「話を聞いてもらう」ことで心が解きほぐされ、安心してメイク・ラブを行っていく――。それを、大人の目線でなく高校生が、しかも童貞がアドバイザーとして担っていく展開はとっても新鮮。
さらに、時折挿入される温かなヒューマンドラマも気が利いている。メインの3人は皆、親との関係に悩んでいる。童貞高校生は過干渉な母親に辟易し、ゲイの男の子は両親からの理解が得られず苦悩。パッと見●ッチの女子は母親がドラッグ中毒と、それぞれに試練に直面し、まだまだ子どもであるもどかしさと闘っていく。そんな彼らが互いを気遣い、友情を育んでいく姿が美しい。性に関しては少々進みすぎかもしれないが、心の動きは実に健全なのだ。些細なことで傷つき、引きずってしまったりする。この辺り、実にいじらしい。
1話を観るだけでも、ただ過激なだけではない芯の通った面白さを目の当たりにできるはず。しかもルックが過激なだけで、中身はピュアな青春恋愛ものだ。ケタケタ笑って、時々ホロリ。全体的に明るくカラフルな「映え」な質感で統一されており、実にエンタメ性の高い1本だ。シーズン2も配信を開始したばかりなので、この機会に気軽にチャレンジしてみてほしい。