「一回しか言わねえぞ。祥平、グランメゾンに来い」
雷に打たれたような、胸をグッと鷲掴みにされたラストから一週間。この言葉の続きを、私はずっと待っていた気がする。祥平がグランメゾン東京に来るチャンスは何度もあったが、その度にフラグは折られていた。gakuオリジナルの漆黒の衣装も捨てがたい、とても捨てがたい。でも私はずっと、祥平がグランメゾン東京に合流する日を待っていたのだ。
「グランメゾン東京」では、ミシュラン対策用の新メニューを考案する。異物混入事件の真犯人として世間に公表された祥平を“ゴーストシェフ”として雇い、尾花と共にメインディッシュの開発に挑んだ。出来上がった一品は「...
「一回しか言わねえぞ。祥平、グランメゾンに来い」
雷に打たれたような、胸をグッと鷲掴みにされたラストから一週間。この言葉の続きを、私はずっと待っていた気がする。祥平がグランメゾン東京に来るチャンスは何度もあったが、その度にフラグは折られていた。gakuオリジナルの漆黒の衣装も捨てがたい、とても捨てがたい。でも私はずっと、祥平がグランメゾン東京に合流する日を待っていたのだ。
「グランメゾン東京」では、ミシュラン対策用の新メニューを考案する。異物混入事件の真犯人として世間に公表された祥平を“ゴーストシェフ”として雇い、尾花と共にメインディッシュの開発に挑んだ。出来上がった一品は「キジバトのドゥミ・アンクルート」。完成したのも束の間、尾花たちはリンダの洗礼を受けることになる。
尾花と祥平の間に流れる絶妙な緊張感は、現実でも事務所の先輩後輩関係にあたる木村拓哉と玉森裕太だからこそ生じるものだと思う。特にこの関係性が効いているのは、後輩である玉森の方だ。番組ホームページにある木村拓哉×玉森裕太の対談記事を読むと、玉森にとっての木村は“カリスマ”で、そんな大先輩との共演を光栄だと思いつつも、終始“ビビっている”と語っていた。尾花はガチで祥平を指導するし、祥平はそれを全身全霊で受け止める。ドラマでも現実世界でも変わらない木村との関係性が、玉森を「平古祥平」という役に一層のめり込ませているのだと思う。前半に見せた静かな涙も、後半で感情を剥き出しに溢れ出した涙も、芝居を超えたガチのものだった。この素晴らしきキャスティングに、今日ほど感謝した回はない。
祥平の加入が正式に決まり、涙を浮かべた京野は尾花に声をかけた。「出来たな、最強のチーム」と。それを受けた尾花が京野に何か返すことはなく、この時を待っていたと言わんばかりに天を仰いだ。じわじわと涙が溜まった瞳の奥で、彼は一体、どんな光景を思い浮かべていたのだろう。この尾花の姿に木村拓哉を重ねてしまったのは、私だけではないと思いたい。
最後の仲間を乗せた「グランメゾン東京」一行は、本来の目的へという意味で、ようやく門出の時を迎えた。最高の仲間に、最高の料理。三ツ星をとる準備は、できている。