特ヲタであることをひた隠し、社会生活を送る商社OLの仲村。
自分の本性は知られたくないが、ありのままの自分を表現できる仲間も欲しい。そんな切ない願いが、ついに叶えられる。
思い切って初参戦したヒーローショーで仲村は、密かに思いを寄せていた“トライガーのキミ”=吉田と偶然出会う。
はにかみながら隣の席に座り、距離感を探りながら次第に打ち解けていく描写がなかなか細かい。
周囲は子ども、あるいは子連ればかり。大人の女性はこの二人だけ。疎外された状況の中、お互いそれぞれに異なる思い・状況を背負いつつ二人は隣り合っている。「友達ができた」と手放しで喜ぶ仲村に対し、年齢差を思い知らさ...
特ヲタであることをひた隠し、社会生活を送る商社OLの仲村。
自分の本性は知られたくないが、ありのままの自分を表現できる仲間も欲しい。そんな切ない願いが、ついに叶えられる。
思い切って初参戦したヒーローショーで仲村は、密かに思いを寄せていた“トライガーのキミ”=吉田と偶然出会う。
はにかみながら隣の席に座り、距離感を探りながら次第に打ち解けていく描写がなかなか細かい。
周囲は子ども、あるいは子連ればかり。大人の女性はこの二人だけ。疎外された状況の中、お互いそれぞれに異なる思い・状況を背負いつつ二人は隣り合っている。「友達ができた」と手放しで喜ぶ仲村に対し、年齢差を思い知らされて自嘲気味に笑う倉科カナ。その複雑な表情がいい。意外なハマリ役だ。
だがジュウショウワンの話題になれば二人の距離は一気に吹き飛び、それが必然、とばかりに意気投合。隠れ特ヲタを孤独に続けてきた古参兵の一言一言が、カノの凍った心に突き刺さる。
クライマックスで“ものごっつい”カメラをやおら取り出し、
「いいシーンを狙ってもダメです、とにかくガシガシいかないと!」
とシャッターを切りまくる倉科の豹変ぶりには笑わされた。
エンディング、最後列からカメラを向ける二人が向き合って微笑み合うシーンは、このドラマの最もあたたかいシーンだと思う。