独白が多い役所を小芝風花が好演。
社会的に市民権を得られていない(と本人が思い込んでいる)趣味をひた隠しにしつつも、その孤独を埋めようと人知れず奮闘。その様子は滑稽だが、どこか身につまされるものも感じる。
ヒロイン・叶(かの)が特ヲタを隠すのは、つまるところヲタクである自分を、自分自身が認められないから。特撮を恥ずべきもの&表に出してはいけないものと思い込んでいる。その起源は明らかで、母親から特撮好きを強く否定された子ども時代にある。
自分が大好きなことを好きと言えないジレンマは、受け入れがたい自分が自身の中にいることと深く関わっている。そして厄介なことに、その恥ずべき自分...
独白が多い役所を小芝風花が好演。
社会的に市民権を得られていない(と本人が思い込んでいる)趣味をひた隠しにしつつも、その孤独を埋めようと人知れず奮闘。その様子は滑稽だが、どこか身につまされるものも感じる。
ヒロイン・叶(かの)が特ヲタを隠すのは、つまるところヲタクである自分を、自分自身が認められないから。特撮を恥ずべきもの&表に出してはいけないものと思い込んでいる。その起源は明らかで、母親から特撮好きを強く否定された子ども時代にある。
自分が大好きなことを好きと言えないジレンマは、受け入れがたい自分が自身の中にいることと深く関わっている。そして厄介なことに、その恥ずべき自分に、自身はかなりの程度依存しているため、切り捨てることができない。
こう書けばヒロインが抱えているものが広く一般的な問題でもあるとわかる。ヲタ活に限らず、あるべきではない自分を自分の中に抱えている人は少なくないはずだ。そしてそんなダメな自分も含めて、まるごと自分を受け入れてくれる存在を、心のどこかで待ち望んでもいる。
隠れキリシタンが使ったという魚のサインが持ち出された時は笑ったが、なるほど “トライガーの君” は叶にとってはまさにメシアでもあったのだと得心した。