武志の「いつもと変わらない」を実現するべく
くだらない話をして「おいといてぇ〜」と言ったり
大阪に買い物一緒に行ったりするのが
学や大輔の役目だとするならば
薬は美味しくないやろとか、
髪の毛抜けた?とか
しんどいことないん?と
普通ならば聞きにくいこと言いにくいことを
ズバズバ言い、真奈ちゃんとちゃんと付き合えと
けしかけるのが直子の「いつもと変わらない」であって、
それをちゃんと実行するところが直子だなぁ…と
昔、常治がもう長くない…となった時も
帰ってこなかった直子…聞けばそれは
お父ちゃんは元気のない自分を見られたくないはず。
帰ってくんなって言うから、帰らなかった。
そういうふうだったと記憶しています。
直子なりに相手を思い遣った結果が、常治の場合は
顔を見せないことであり、武志の場合は
「ずけずけ物を言う叔母さん」で在ることだった。
これね…しんどいと思います。
人によっては直子のような態度をとられたら
デリカシーがないとか、人の気持ちを考えてないとか
非難されそうなものなのに、そこを曲げずに
ズケズケ言うのは、多分言ってる方もきついですよね。
だけど、武志が一番望まないのは恐らく
「病人として扱われること」であり
常治のときもそうだったから、
直子は敢えてズケズケ言う役回りになったんじゃないかと…
そこをカバーするかのようなすっぽん鍋。
これだって、布袋さんに熱心に武志の話をして
何が身体にいいかとか、
駆けずり回って探してきたものかもしれない。
このすっぽん鍋ひとつにも、直子の情深いところが
出てる気がするのです。
小さい頃の直子は、ネガティブでわがままなところが
クローズアップされていて、このまま大きくなったら
トラブルメーカーになるなぁ…と案じたりもしました。
実際お金の工面のために、妊婦を偽装してマツさんに
はたかれたこともあったっけ…
でも、あの短気な常治と対等に口論し、自分の思うがままに
生きてきた直子は、武志にとって喜美子とはまた違った
元気をくれる存在だったのかもしれません。
そして病気の症状もさらりと聞くあたり
「あ、これもしかして治るくらいの軽い病気なんじゃない?」と
思わせるような力もあると思うのです。
この時代には決して治ることがなかった白血病が…
武志も、直子の勢いに押されつつもどこか楽しそうだったのは
いつも通りの生活がおくれてるからなんだろうなぁ。
川原家に、直子が居てくれて本当に良かった。
でも、ドライブの時にはあんまり二人の間に
首突っ込まんといてあげてな…笑