え〜、BSで再放送している「はね駒」
おりんが松浪(往年の名スタージュリー!)先生に
恋をして女学校に行くまでの話は
正直、おりんの調子の良さに苛ついたし
勉学に向き合うわけでもなく、簡単に給費生にもなれて
なんだよイージーモードだな!と思っておりました。
だけど、わたくし…見落としてました…
着々と積み重ねられた人生があることを。
それはおりんの妹、おみつ。
彼女は目がくりっとしたおりんや、
もみあげの成長著しい兄の嘉助(アバヨのほうの慎吾さん)
に比べると、ちょっと容姿としては印象に残りにくい感じ。
(失礼言ってすんません💦)
だけど、お姉ちゃんのことは大好きで、おりんのことを
尊敬し、家の手伝いも頑張り、姉が家を出てからは
家のことをあれこれ任されているようでありました。
そして慕ってる姉が通ってる学校の模型を
幼馴染のヒデキチに作ってもらった時の
これでいつでも姉と側にいられる…と言った時の嬉しそうな顔。
ヒデキチとの、恋までいかない淡いやりとり。
誰よりも姉思いで、コツコツ真面目に頑張ってきた
おみつのことを、わたくしはおりんにたまにムカつきながら
じわじわと刷り込まれていたのです…
そんなおみつに、縁談話が来たときには
いやいやいや!ヒデキチおるやん!と思ったりもしたのですが
わざわざ様子を見に来た後の姑となる人もいい人そうだし
この時代はしょうがないよな…ヒデキチと一緒になってほしかったけど
おみつが幸せなら、こういう道もありか…なんて
ゆるく考えていたのです。だってほら、おりんの道はゆるいんだしさ!
と・こ・ろ・が!!
めでたくご懐妊しているはずのおみつは、臨月近くになっても
畑の重労働をし、休む間もなく働かされ
挙句の果てには里に帰ることなく、婚家で出産…!
おりんや父・弘次郎(小林稔侍さん)も何度も足を運ぶけど
赤子に会うことすら許されず…弱りきったおみつを
引き取るのがやっとでした。
いや…これ…前にやってた「おしん」やん…
おしんの場合は、結局死産にまで追いやられたあれやん…
そうです…この時代は嫁いだ先の言うことが絶対で
嫁の実家の立場ったら、そりゃもう無いも同然。
いくら武家の出身だからと言っても、そういうことだったわけで。
姑も、恐らく自分が家を守ってきたというプライドもあったろうし
我慢が当然で、嫁もそれに従うべきというのを基準に生きてきた
人でしょうから、そこに情けが介在するわけもなく…
(にしても、この姑…これまで観てきたどの姑よりも鬼だと思った!)
夫がもう少し頼りになる人ならば話も変わったかもしれないけど
きっと母一人息子一人で生きてきたからには
本家やらなんやらで苦労してきた母を見て育ったのは
想像に難しくないわけで…強くも出られず。
あの働き者で優しいおみつが実家に戻った時の
青白い顔…もう怒りで震えましたよあたしゃ…
それでもなんとか、おみつは遠目に自分の息子を
見ることが出来、(いや抱かせてやれよ!とは思ったけど)
再び息子を抱く日を目指すために、必死で生きようと
食事も頑張ってとり、歩く練習をし…
あの家に正直戻ってほしくはないけど、おみつにとっては
息子が生きる糧なんだもんな…再会できるといいな…と
複雑な思いで応援しておりました。
だけど、その思いも、婚家からの荷物送り返しで
無残にも崩れ去り、おみつはそれまでずっと
気を張って生きてたのでしょう…あっさりと亡くなってしまいます。
なーーーぜーーーーだぁーーーーーー!!!!
おぉおーーーみぃいいーーーーつぅううーーーー!!
…まさかはね駒で号泣する日が来るとは思ってもみませんでした。
これが…しょっぱなおりんの初恋キュンキュン♪と
同じドラマなんですよ…信じられます?
しかもおみつ享年18…18ですよ?
もうね…これ、おりんを主人公って油断させといて
実はおみつが主人公だったんじゃないか?と
わたくし思えてならないのです。
おみつがなぜ、このような目に遭わなければならなかったのか。
若くして嫁ぐことになったこと、自分で選べないということ、
全ては…そう、女子の教育が未発達だから、いや
社会そのものがまだ未熟で、女子に於いては
やる気そのものすら
持ってはならない世の中だったから…
きっとおみつのように望まない結婚をし
泣いた女性も数多くいることでしょう。
(もちろん、男性側もそうでしょうが)
で、ここでじわじわと序盤のヒーロー松浪先生の発言
「男と女の立場は同じ」が効いてくるのです。
おりんが、このおみつの死を社会問題として受け止め
自分が学問に邁進し、社会を変えるための波紋のひとつになる…過程が
おみつの死だったのではないかと思えてならないのです。
だとすると、ようやくここからが主人公おりんとしての
活躍が期待できるところとなるわけで…
【にしても、長かったなヲイ!】
おりんのこれから進む道は、険しいものになると
想像に難くないですが、ちゃんとそこにも
素敵なヒーロー:源造(時々拗ねモード有)がいますしね。
このふたりのことも、最初は怒鳴り合ってばかりで
正直好きではありませんでしたが、不器用さからくる
強がりという積み重ねであったことも、ここに報告しておきます。
いやほんと、序盤で視聴止めなくていがったわ!
こっから先も観るからね!
そしておみつ…天国で幸せに暮らしてけろ!!