【明日菜子さんの視聴ドラマの口コミ・感想・評価一覧】

  • エール 第1話

    3.0
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    物語がはじまる

    「それでも日常はやってくる」

    こんな当たり前のことを一番に教えてくれるのは、NHKの朝ドラだと思う。最終回の感想を書こうと思ったら、だいたい次の作品が始まっている。『まんぷく』も『なつぞら...
    続きを読む 「それでも日常はやってくる」

    こんな当たり前のことを一番に教えてくれるのは、NHKの朝ドラだと思う。最終回の感想を書こうと思ったら、だいたい次の作品が始まっている。『まんぷく』も『なつぞら』も書けなかった。つい2日前、大好きな『スカーレット』が終わった。やっぱり間に合わず、振り向いたら『エール』がそこにいた。

    時短勤務になったので早起きする必要はないけれど、初回くらいはリアルタイムで見たかった。目が覚めたのは放送時間ギリギリで、朝ドラ大好き・高瀬アナが名残惜しそうに『スカーレット』への思いを語っている。……わかるよ、私もまだ気持ちの整理がついてない。時刻がちょうど8:00になると、「紀元一万年前」のテロップと共に、原始人に扮した窪田正孝が現れた。紀元一万年前……?私はまだ寝ぼけているのか?すると、原始人の二階堂ふみも現れた。あれ、今回の朝ドラって『実写版・日本の歴史』だったっけ。頭を抱えた私を置いて、原始人の窪田正孝はウホウホと喜んでいる。

    時は移って、1964年の東京オリンピック。開会式が始まろうとしている直前、妻・音は夫の裕一を血眼になりながら探していた。「あと何分?」「7分です」この中途半端な残り時間は、朝ドラが終わる8:15を指している。そうだ、もう少し爪痕を残さないと『エール』の初回感想は“原始人な窪田正孝”と“フラッシュモブな窪田正孝”で埋まってしまうぞ!開会式に出たくないと駄々をこねる裕一の姿は、会社に行きたくないと口を尖らせる月曜の私と似ていた。

    まるで序曲のような第1話だった。物語が本格的に始まるのは明日からなのかもしれないぁ、と思った矢先に悲しい出来事があった。想像していた以上にショックを受けている自分に驚く。それでも私の日常はつづくし、それでもやってくるのがNHKの朝ドラだ。いつも通り、明日には第2話の放送がある。
    “不要不急”という言葉が間違いなく流行語大賞に選ばれるだろうこのご時世、エンタメや娯楽の重要性を痛いほど感じるようになった。「ずっと音楽は人のそばにある」「時に音楽は折れかけた心に力を与えてくれる」「音楽はすばらしい」冒頭に流れた数々のメッセージは、まるで心の内を代弁してくれているみたいだった。

    画面は明るい。看板を担う窪田正孝と二階堂ふみの実力は、言わずもがな十二分にある。不要不急を連呼される今、音楽と娯楽の意義を感じる作品になってほしいと思う。
  • コタキ兄弟と四苦八苦 第11話

    5.0
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    最終回目前にして最高の11話!

    「その気になれば、男とも付き合えるんだよね?」
    「ホッとした。やっぱりね、男と女というのが自然の姿であって、その方がいいに決まってる」


    サッちゃん(芳根京子)と同棲していた元恋人が“...
    続きを読む 「その気になれば、男とも付き合えるんだよね?」
    「ホッとした。やっぱりね、男と女というのが自然の姿であって、その方がいいに決まってる」


    サッちゃん(芳根京子)と同棲していた元恋人が“女性”だということは、第8話「五蘊盛苦」で明らかになっていた。今回放送された第11話では、サッちゃんの元恋人・ミチル(北浦愛)が依頼人。というよりも、ミチルは姿を消したサッちゃんに会いたくて、レンタル兄弟オヤジのもとへ辿り着いたのだった。

    「……あっ、ミチルです……あたしが同棲してた、元カノ」

    娘の将来に備えてLGBTを勉強したことがある二路とは違い、サッちゃんがレズビアンだということに衝撃を受ける一路。冒頭に書いた見るも無残な台詞は心の声ではなく、実際に一路が口に出したものだ。さすがの二路も最悪……と溢したあと、「マジデリ(マジでデリカシーない)」と一路を睨みつけた。

    ドラマや映画でLGBTを描くことは、あまり珍しいことでない。ただ、今も昔もセンシティブなテーマであることに変わりはなく、ある意味で作り手自身の価値観や感性が全面に出てしまう難しい題材でもある。LGBTを扱ったドラマが流行ってるし、とりあえず時代の波にのっとこうかなと軽いノリで手を出したら、一路のように一瞬で大火傷をするだろう。
    しかし一方で思う。綺麗事ばかり描くのが本当に正解なのか、と。マジデリだらけの一路の発言はたしかに酷い、めちゃくちゃ酷い。だけど〝あえて〟マジデリ側の人も描いた『コタキ兄弟と四苦八苦』は、やっぱりとても考え抜かれた作品だと思う。二路のように理解がある人もいれば、一路のように未だマジデリな人がいることも、私たちが生きる社会の現実だからだ。

    その後、一路は図書館でLGBT関連本を大量を読み漁り、自分のマジデリに打ちひしがれて風呂でのぼせた結果、庭で行水をおこなう。サッちゃんに謝りたいけど本人は顔も見たくないだろうと、兄弟そろってサングラス姿で喫茶シャバダバを訪れた。「どうして私たちは祝福されないんだろう、どうしてこんな風に生まれてきちゃったんだろう」と涙を流すサッちゃん。今まで見てきたどんなシーンよりも緊張した声で言葉を伝える一路の姿に、思わずうるっとしてしまった。綺麗ごとでも作りものでもない。あの時の一路の言葉が、間違いなく、どうしようもないくらいに本物だったからだ。




    「あなたが、あなたたちが、あなたとして、生きていくことを、俺は祝福する!」
  • テセウスの船

    2.5
    • 出演者
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    • 演技
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    ジ・エンド~~~~~~~~~!!!!

    心さんと、心さんをツッコミし続けた視聴者の物語が幕を閉じた。

    『テセウスの船』は私の想像の遥か上を行く人気っぷりで、2020年冬クールの目玉作になった。『あなたの番です』に次ぐ考察ドラマと...
    続きを読む 心さんと、心さんをツッコミし続けた視聴者の物語が幕を閉じた。

    『テセウスの船』は私の想像の遥か上を行く人気っぷりで、2020年冬クールの目玉作になった。『あなたの番です』に次ぐ考察ドラマとして注目されていた『テセウスの船』だが、推理や考察が全く得意ではないので、思ったことをそのまま書くことにする。

    後半を過ぎた頃から“黒幕”と明かされていた・子みきお。子みきおの目的は、「大好きなすずちゃんの唯一無二のヒーローになる」ことだった。お父さんは正義の味方だと語るすずの姿を見て、佐野文吾のことが邪魔になったらしい。来る本番に備えて、同級生や罪なき田中のおじいちゃんに毒薬の実験を行った。しかし、大好きなすずのために子みきおは計画を変更。佐野文吾の無実を証明するために、今までの経緯を全て録音したボイスレコーダーを心に託し、自ら毒を飲んだ。

    子みきおの犯罪が実証された後、子みきおと共に行動した“もう一人の黒幕”を残り30分で探ることに。書いてしまうが、もう一人の黒幕の正体は霜降り明星・せいやだった。1977年の毒キノコ間違って汁の中にいれちゃった事件で、母が捕まったせいやたち家族もまた「加害者家族」として迫害され、小学生の妹は自殺してしまったそうな。事件の調査に関わっていた佐野文吾を恨み、佐野が自分を殺すことで佐野一家に同じ苦しみを味わってほしかったらしい……で、合ってる?


    『テセウスの船』が今期の(数字的な意味での)成功作になったのは、とてもシンプルな作りだったからだ。たくさんの伏線(のようなもの)や謎(のようなもの)が張り巡らされていたが、『テセウスの船』で追う謎はたった一つ。「無罪の佐野文吾に罪を着せた黒幕の正体は?」というものだった。
    物語の方向性が右へ左へ行こうとも、私たちは今作の目的を知っていたからこそ、最後まで着いてくることが出来た。だけど肝心の最終回で一気にボリュームが増え、実はあんなこともこんなのこともあったし、黒幕の正体はみんな忘れていたと思うけど最初から怪しかったこの人でした~!な力技結末になってしまったことが勿体ない。平成元年に31才の心さんが死んでも、和子のお腹にいる子供が竹内涼真な運命は変わらず、文吾はNEWバージョンの心さんと幸せな未来を迎えた……という解釈で合ってる?さつき先生と大人みきおがにこやかに毒入り芋羊羹カフェを開いた経緯くらいは教えてほしかった。


    しかし心さんは私たちに教えてくれた。たとえ未来を塗りかえる素質がなくても、迂闊な行動をしても、どんなピンチにあったとしても。元気があれば何でもできる、と。もうええわ、ありがとうございました。
  • 知らなくていいコト 第10話

    1.0
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    視聴者は本当に「知らなくていい」の?

    デスクに昇進した3年後のケイトが、何か言いたげに尾高親子の背中を見つめるラストシーン。思わず「うーーーーん」と口から出ちゃった、ちなみに良くない方の意味で。
    いつからだろう。『知らなくていいコ...
    続きを読む デスクに昇進した3年後のケイトが、何か言いたげに尾高親子の背中を見つめるラストシーン。思わず「うーーーーん」と口から出ちゃった、ちなみに良くない方の意味で。
    いつからだろう。『知らなくていいコト』を見ては、ある種の気持ち悪さを感じるようになっていた。メッセージ性があるようで(たいして)ない、トレンドや時事問題を上手く取り入れているようで上手に扱えていない、登場人物それぞれの人生が交差しているようで微妙に噛み合っていない。特にここ最近は「不倫は悪い」を大前提に、ケイトと尾高の関係を作品全体で正当化しているように見えてきて、それが何とも言えない気持ちを残した。


    今作の目玉だったケイトの恋愛は、急スピードでイージモードに突入する。不倫関係は職場公認のものになっていたし、家庭があるはずの編集長は尾高の妻子を顧みずにケイトの恋愛を後押し。すでに離婚の手はずを整えた尾高は、勢い余ってケイトにプロポーズをした。ここまで来たらケイトがサヨナラ満塁ホームランを打ってハイボール片手に「ウィ~~!」の未来しか見えてこない。特に、今までなんの問題もなかった尾高の良き妻が、薄暗い部屋で赤ん坊を一人置き去りにして出ていくような〝悪妻〟として描かれていたのが、最高潮に気持ち悪かった。編集長はこれを「妻の復讐だ」と言っていたけれど、ケイトと尾高のただならぬ関係を“きれいに”印象付けるための必要悪に見えた。

    「この世には、知らなくていいことがある」

    ケイトが記事に書いた一言は、この物語の着地点とも言えるだろう。ケイトと尾高のその後の未来も、それに翻弄された尾高妻の心情も、大量毒殺事件の真相も。なにがなんでも真実を追い求めていたケイトが、「知らなくていいコトもあるよね…」と悟るラストは確かに爽やかだ。でも私は“あえて”モヤモヤを残した脚本に、すこしズルさを感じてしまった。せめて一話から追っていた毒殺事件の真相くらいは明らかにされても良かったと思う。“小さな息子のために罪を背負った乃十阿”というのも、週刊イースト編集部が「ケイトのお父さんが犯罪者じゃないといいな」という理想論の上に作った美しき虚構に過ぎない(息子はカメラ目線で明らかになんか入れてたけど)。

    「白黒つけたがる現代の風潮に“あえて”グレーを提案する」

    そんなメッセージが『知らなくていいコト』にはあったのかもしれない。だけど私はやっぱり知りたかった。物語を見届けた、一視聴者として。
  • 恋はつづくよどこまでも 第8話

    2.0
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    なぜその選択肢をえらんだ

    少女漫画の主人公は、ときどき凡人には理解しがたい行動に出る。『恋つづ』のヒロインこと“勇者ちゃん”は職場でこそドジっ子キャラだけど、少女漫画的アクションにおいては最初から玄人レベルのワザを見せて... 続きを読む 少女漫画の主人公は、ときどき凡人には理解しがたい行動に出る。『恋つづ』のヒロインこと“勇者ちゃん”は職場でこそドジっ子キャラだけど、少女漫画的アクションにおいては最初から玄人レベルのワザを見せていた。私は第7話で見た「ソフトクリームを敢えての最下層から舐めて鼻にクリームを付けることで健に指で拭ってもらい、そのまま応用技を活かして白昼堂々とキスをする」、あの流れるようなコンボが忘れられない。


    先週放送された第8話では、急に現れたイケメン御曹司の上条(清原翔)が健に暴力行為をされたと訴えるシーンから始まる。この一連の騒動は上条の策略なのだが、健はチームから外され、今まで担当していた子供の大切な手術に立ち会えなくなってしまう。担当看護師である勇者は上条を説得。その結果、「俺と一緒にシンガポールに来てくれるなら訴えを取り下げるよ」と少女漫画らしい唐突な選択を迫られることになった。
     
    ここで一度整理したい。与えられた選択肢は2つ。上条と一緒にシンガポールへ「行く」か「行かない」かだ。
     
    ① 上条と一緒にシンガポールへ向かう決意を固める→それを知った健が止めに入る→愛の力で上条が根負けし、訴えを取り下げる。

    ②シンガポール行きを断る→押しても動かぬ二人の絆に上条が根負けし、訴えを取り下げる。
     
    どちらのルートでも上条が訴えを取り下げる結果になるのだが、おそらく①の方が無難だろう。
    ……しかし、勇者が導いた答えは違った。

     
    「ごめんなさい、上条さんと一緒に行くことは出来ません」
     
    「でも、先生とは離れます。私にとって、とても辛いことです……」
     
    「なので、それに免じてどうかお許しください」
     
     
    正解は「シンガポールには行かない、だけど病院も辞める。大好きな天堂先生と離れるから、あなたも私を諦めて」というものだった。二択問題だと言われていたのに「答えは……まさかの5番でした!」パターンである。なんだそれ、その選択肢なかったじゃん。しかもなにげに清原翔を一番責めるタイプの答えだ。そんな択があったのか、あっていいのか。昔、好きなタイプが全く違うと定評のある友達と3人で「kinki kidsでは誰派?」という話になり「剛!」「光一!」とつづいた後に、残す一人が「別にどっちでもないかな」とスンとした表情で答えたときの気持ちを思い出した。

     
    ブレーキをかけることを知らない勇者は、宣言通りに地元へ帰り、そのまま近くの診療所で働き始める。しかも新しい職場にめっちゃ馴染んでいるではないか。まるで最終回のような展開だ。しかし何処からともなく湧き上がった佐藤健が、勇者を颯爽と連れて帰るのだろう。読めた、読めてしまったぞ。

    案の定、買い出しの最中に健から電話がかかってきて(sugarではない)、Twitterのタイムラインは「どうせ向かいの道路にいるんだろ」の声で溢れた。私も思った。しかし我々凡人の遥か斜め上を行くのが『恋つづ』の佐藤健である。向かいの道路ではなく真正面でもなく、まさかのバックハグで登場したのだ。


    いつの間に背後を……?


    勇者のとんでもない行動により、二人の愛は更に深まることになった。野暮なツッコミをする私を置き去りにして。前回のソフトクリームにつづき、またしても勇者は健のハートを鷲掴みにしたのだ。


    画面前でボヤき続けた『恋つづ』も残すところ後わずか。勇者ちゃん、勇者さん……いや、ここまで来たら師範代と呼ぶべきか。圧倒的勝ち組となったヒロイン・七瀬のぶっ飛んだ行動から、我々は学ぶべきことがあるのかもしれない。
  • ゆるキャン△

    3.5
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    ゆるキャン△、そこは私のユートピア

    私事だが、今月頭に転職した。
    初めて触るシステムや、意味を聞いてもイマイチ理解できない専門用語に奮闘している。必ず定時に上がり、早めにお風呂を済ませて、ドラマをリアルタイムで鑑賞して感想をTw...
    続きを読む 私事だが、今月頭に転職した。
    初めて触るシステムや、意味を聞いてもイマイチ理解できない専門用語に奮闘している。必ず定時に上がり、早めにお風呂を済ませて、ドラマをリアルタイムで鑑賞して感想をTwitterで呟く……そんな“いつもの私”は、この2月にあまり姿を見せなかった。しかしドラマは待ってくれない。ベッドに倒れ込んだ私は、溜まりに溜まった録画一覧をなんとかせねば……と、死んだ目で眺めた。こんなメンタルの時に物騒な事件のドラマは見たくないし、命について深く考える余裕もない。これでもない、あれでもない、これもなんか違うな……と、無意識に選別していた手が、その時ぴたっと止まった。


    そうだ。『ゆるキャン△』、見よう。


    『ゆるキャン△』はキャンプに魅せられた女子高生たちの日常を、ゆるーく描いたドラマだ。背伸びすることなく、身の丈にあったキャンプライフを楽しむ主人公たちに、とても癒される。寒空の下、カレーヌードルや餃子鍋を「おいしいねぇ……」とニコニコしながら食べる彼女たちの姿には、なんらかのデトックス効果を感じるのだ。

    ソロキャンプを愛する主人公・リンを演じるのは、私世代には“まいんちゃん”でおなじみの福原遥。他作品ではなにかとクセ強めのキャラクターを当てられがちな彼女が、『ゆるキャン△』では、一人とキャンプをこよなく愛するニュートラルな主人公を演じるのがとても良い。生まれながらの美貌を封じて、クセ強めのオン眉JKを全力で演じる田辺桃子には“好き”の気持ちを抱かずにはいられないし、いろいろな学園ドラマで様々なJKを演じてきた箭内夢菜にはデビュー2年目とは思えない貫禄を感じる。
    みんな素直で、みんな違って、みんな良い……。愛すべき『ゆるキャン△』メンバーの中でも、特に私が心奪われた“推しメン”は各務原なでしこ役の大原優乃だ。顔もかわいい、声もかわいい、動きもかわいい。調べてみると、あの『3年A組』にも出演しており、遡ってみれば『ようかい体操第一』を歌っていたDream5のメンバーだった。えっマジで?低体温なリンに対し、なでしこは常にテンション高めで嵐を巻き起こす人物である。引っ越し当日、富士山を見るために自転車で遠乗りに来たものの、途中で力尽きて夜になってしまい困り果てたなでしこを、嫌々ながらリンが助けて物語は始まった。なでしこはいかにも漫画的なキャラクターで、台詞の一つ一つが浮世離れしているのだが、大原優乃の癒し系ボイスはそれらに絶妙にマッチする。あんなに可愛く「いひひっ」と言える人、私は三次元で初めて見た(第2話、第6話参照)。もしも私が今の仕事で力尽きて、『フランダースの犬』のように天に召されることがあるならば、CV:大原優乃の天使に迎えに来てほしい。


    人気漫画の実写化ということで、始まる前はネガティブな声が上がっていたらしい。しかし原作未読勢に作品の良さを伝える素晴らしい“当たりキャスト”だと思うし、アウトドアの魅力をストレートに伝えることが出来る映像は実写化ならではの強みだと思う。ああ、私もキャンプしたい。だけど今はそんな気力がない。とりあえず今は、私も身の丈に合った休日を送ろうと思う。

    今日も今日とて『ゆるキャン△』見よう。
  • ホームルーム

    3.0
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    ドラマを見ない人に〝敢えて〟おススメ


    おススメのドラマを聞かれると、自分の好みは一度置いといて、その人が「見たい」または「これなら見れるかも」と思う作品を選ぶようにしている。2020年冬クール、ドラマをあまり見ない人にもおススメ...
    続きを読む
    おススメのドラマを聞かれると、自分の好みは一度置いといて、その人が「見たい」または「これなら見れるかも」と思う作品を選ぶようにしている。2020年冬クール、ドラマをあまり見ない人にもおススメしたい作品が一つある。そのドラマのプレゼンテーションをするならば、この一言から始めるだろう。

     

    「あのね、山田裕貴が変態教師の役なんだけど……」
     


    主人公は愛田凛太郎(通称・ラブリン)、職業は高校教師だ。爽やかイケメンの愛田は、生徒たちからの人気も高く、誰よりも生徒思い。クラスのいじめられっ子・桜井幸子が陰湿な嫌がらせを受けた時は一目散に駆け付け、まるで少女漫画に登場する王子様のように手を差し伸べる。晴れの日も、雨の日も。授業中でも、放課後でも。その後は必ず、間違いを犯した生徒たちに「愛のある説教」を行う。先生、すごく悲しいです。でも嘘をついている奴の方がもっと悲しい、と時には涙を流しながら。

    そういえば。どうして桜井を助けるのは、いつも愛田先生なのだろう。答えは簡単。桜井に嫌がらせをしているのが、他でもない愛田凛太郎本人だからである。理解できないだろう?桜井に恋をした愛田は「桜井を救うヒーローになりたい」と思うようになり、自分が桜井を助けるために自分で桜井へ罠を仕掛けるようになったのだ。
     
    桜井へ嫌がらせ行為をする人物が他にもいると判明し、愛田は“もう一人のいじめっ子”の正体を探る。しかし!犯人の証拠を押さえようと仕掛けたカメラに愛田本人が映っているから、さぁ大変!しかもそのカメラが生徒会に没収された上に、誰かに奪われてしまい、まさかの愛田自身が超絶ピンチな状況に立たされている真っ最中だ。

    原作の愛田とは少し違う系統のイケメンだが、2020年現在、愛田を演じるならば山田裕貴しかいないと思う。愛田と同じ変態…かどうかはさておき、山田裕貴自身も「爽やかさ」と「危うげな色気」という真逆の属性を兼ね備えた俳優だからだ。第3話までの山田裕貴 as 愛田も充分にヤバいが、まだヤバいの「ヤ」の字さえ見せてもらっていないような気がしている。
    愛田の思惑にまんまとハマり、桜井も愛田へ好意を抱いていることが発覚。そして桜井もなんだかヤバい。他にもヤバそうなキャラが続々と登場して、一体誰が普通なのか分からないし、想像の斜め上を行く物語が一体どのように着地するのか未だに見えてこない。

    あのね、山田裕貴が変態教師の役なんだけど……。これ以上書くとネタバレに繋がりそうなので、気になる方は一度見てほしい。

    あ。

    これから放送の第4話では、誰かが半ケツになるよ。
  • アリバイ崩し承ります 第2話

    1.0
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    浜辺美波が可愛い、以上

    2020年冬ドラマが始まって1ヶ月。「お待たせしました」とでも言うように、一歩遅れて先週から『アリバイ崩し承ります』が始まった。時計屋の若き店主でアリバイ崩しの名人でもある主人公・時乃(浜辺美波... 続きを読む 2020年冬ドラマが始まって1ヶ月。「お待たせしました」とでも言うように、一歩遅れて先週から『アリバイ崩し承ります』が始まった。時計屋の若き店主でアリバイ崩しの名人でもある主人公・時乃(浜辺美波)と、元キャリアだけど推理はポンコツの刑事・察時(安田顕)が事件解決のためにバディを組む。「君の力は絶対に借りない!」と捜査に励む察時だが、だいたい物語の中盤くらいで時乃にほだされて、共に行動するようになる。

    今回の被害者は、大学教授の星野真里。事件に関与しているのは、弟・金井勇太と元夫で借金持ちの忍足修吾だ。前回の丸山智己に続き、今回のゲストも見た目からしてめちゃくちゃ怪しい。察時は夫の忍足修吾を特に怪しむが、彼は居酒屋にいたと証言しており、今回も鉄壁のアリバイがあった。八方塞がりの察時は時乃に助けを乞う。時乃たちは被害者が食べたケーキを買い、被害者の勤務先だった大学で助手に話を聞く。警察には話さなかったけれど、事件当日に被害者は大好物の塩饅頭を食べなかったそうだ。時乃は時計店に戻り、今回の事件について様々な考えを張り巡らす。

    「時を戻すことが出来ました。菊谷さん(元夫)のアリバイは、崩せました」
    え、マジで?

    まだ2話なので断言できないが、事件解決のスッキリさがあまりない。事件の真相も「えっそうなん?」という理由だし、トリックも徐々に謎が明かされていくのではなく、時乃の卓越した推理によって急に正解へ飛ばされる感じだ。事件解決した後に流れる木村カエラの主題歌も妙にムーディーで、謎解きのモゴモゴに輪をかけて、何とも言えない気持ち悪さが残る。ただ、浜辺美波の推理ごっこは可愛いし、事件解決の立役者のように肩を揺らしながらドヤ顔で帰る安田顕も愛おしい。そして何よりも「一途に恋する成田凌」という稀少種の成田凌を目撃できるので、役者目当てで視聴を続けるのはアリなのかもしれない。
  • テセウスの船 第2話

    3.0
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    3周くらい周って、おもしろい

    この冬、一番熱い男が『テセウスの船』にいる。彼の名前は田村心(しん)。演じているのは竹内涼真だ。

    心の人生は、生まれたときからハードモードだった。警察官の父親・佐野文吾は、平成史に残る「...
    続きを読む この冬、一番熱い男が『テセウスの船』にいる。彼の名前は田村心(しん)。演じているのは竹内涼真だ。

    心の人生は、生まれたときからハードモードだった。警察官の父親・佐野文吾は、平成史に残る「音臼小無差別大量殺人事件」の犯人とされており、死刑判決が下っている。心たちは加害者家族として後ろ指をさされ続け、ずっと息をひそめて生きてきた。唯一の理解者だった妻は幕開け早々に息を引き取り、心は生まれたばかりの娘と暮らすことに。守るものが出来た今、父親と向き合うことを決めた心が事件現場の音臼村を訪れると、なぜか事件直前の30年前にタイムスリップしてしまう。ただいま佐野の過去を変えるべく、妻が残してくれた事件ノートを片手に絶賛奔走中だ。

    しかし田村心という男、悲しいくらいに過去を変える適性がない……っ!過去を変える適性ってなんだよと思うかもしれないが、たぶん、私の方が竹内涼真より過去を変えるのに向いていると思う。そもそも、心は昔のことに疎すぎるのだ。30年前の人々の会話に全くついていけない。「息子と同い年だね。息子は“まさこちゃん”のファンだったけど、君は?」と聞かれて、思わず言葉に詰まる心。いやもうそれ絶対森昌子だよ、夏目雅子もあるかもしれないけどその流れは間違いなく森昌子だよ。そこは世代じゃなくても“百恵ちゃん”くらいは答えられるだろうし、なんなら森昌子でも良かったよ。更に驚いたのは、一話ラストで心と佐野が温泉に入っていたときのことだ。一件落着し、リラックスしたのか何故か口笛を吹き始める佐野。その曲は、心が子供の頃から聞きなじみがあった曲と全く同じものだった。「その曲って……」と目に涙をためながら心は尋ねるのだが、誰がどう聞いても「上を向いて歩こう」である。昭和の名曲どころか平成生まれも間違いなく知っている日本の名曲「上を向いて歩こう」だ。なんなら去年の紅白でHey!Say!JUMPが歌っていたよ!

    佐野に未来人であることをあっさりと打ち明けた心だが、予想以上に過去を変えることに苦戦している。起こるはずだった事件が起きない!やっぱり人が死ぬ!なぜか心が疑われる!ノーマークだった人が突然死ぬ!!これから起こること全てが書いてある事件ノートという名の便利グッズを持っているのになぜ……!?ここまで来ると、むしろ心は何だったら出来るのだ、誰ならば救えるのだと思ってしまう。

    製作陣の意図とはズレていそうだが、自分の正体を明かして便利グッズを携えているにも関わらず、全く思い通りにいかない竹内涼真が毎週ほほえましい。瞬く間に次から次へと事件が起こるので(しかも防げない)、例の事件が起きるより先に、竹内涼真の血管がぷっつり切れてしまわないか心配だ。この冬、一番熱い男・田村心もとい竹内涼真から、しばらく目が離せそうにない。
  • 心の傷を癒すということ 第2話

    5.0
    • 出演者
    • ストーリー
    • 演技
    • 映像

    そして、阪神淡路大震災

    これは、むかしむかしの物語ではない。今から25年前、1995年1月17日に阪神淡路大震災は起きた。

    第一話で精神科医になった安は、避難所で被災者たちの心のケアに回る。しかし、現場で患者を救...
    続きを読む これは、むかしむかしの物語ではない。今から25年前、1995年1月17日に阪神淡路大震災は起きた。

    第一話で精神科医になった安は、避難所で被災者たちの心のケアに回る。しかし、現場で患者を救う医師たちとは違い、被災者と話すことしか出来ない精神科医の存在意義を見出せずにいた。「心のケアってどんなことするんです?」被災者に尋ねられても、安は真っすぐに答えることが出来ない。仲間たちと試行錯誤していく日々の中で、安の声色が明るさを帯びてきたのは、物語の折り返し地点が見えた頃だった。大震災は耐え難いダメージを人々に与え、従来の医療では例がない心の傷を負った人々がいる。安は新聞のコラムを通して、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の存在を訴え掛けたのだ。

    私にも阪神淡路大震災の記憶が少しある。四半世紀前、と聞くと遠い昔のように思うけど、自分が生まれた後の出来事だと思うと、不思議と昔話のようには思えない。しかし第二話で描かれた1995年の日本は、今とはまるで違う姿だった。被災者は医療従事者に不平不満をぶつけ、精神科医に診てもらうのは“特殊な人”だけだと拒絶する。妻・和子が大阪の人から言われた「神戸の人はバチが当たったと思うんよ」は、フィクションとは思えない生々しい響きだった。
    今回で特に印象的だったのが、安と男の子が二人で給水用のタンクを運ぶシーンだ。精神科医としての道筋がはっきりと見えた安は、強がっている男の子に「弱いってええことやで」と微笑みながら諭す。男の子と寄り添いながら歩く後ろ姿は、忘れられない光景になった。悲しみも不安も消えてなくなることはない。しかし、安の心にあったモヤが晴れていくように、避難所にも光が差し込んでいった。

    『心の傷を癒すということ』が描くのは、むかしむかしの物語ではないし、おとぎ話でもない。間違いなく、今期いや2020年を代表する一作になると思う。安和隆ならびに安克昌が歩いてきた足跡を、たしかに感じる第二話だった。
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