牧からの「付き合って下さい」に「はい」と流され、牧と付き合っているのにちずに気を持たせるような行動を取り、武蔵からの「結婚して下さい」に、またしても「はい」と流される。
一見、芯がブレブレでどうしようもない男、春田が、ようやく自分の本当の気持ちに向き合い、もう何からも流されることなく、自分の意思で愛する人の元に走った最終話。

結婚式という場で武蔵に背中を押されるまで、自分の気持ちに向き合わなかった春田には正直イラついた。本気で想うからこそ、春田を手放した武蔵の気持ちを考えると、いたたまれない。春田と牧の幸せは、武蔵の犠牲(というと大袈裟かもしれないけど)の上に成り立っていることは忘れてはならないな、と思う。
とはいえ、やはりプロポーズのあの光景は感動した。ようやく心と心が結ばれて、固く抱き合ったふたり。春田と一緒にいる時は常に不安そうな表情を浮かべていた牧が、ラストシーンで、やっと心から幸せそうに笑う。その笑顔に不安の片鱗はまったくなかった。
もう春田は誰に流されることなく、まっすぐに牧を想い続けるし、牧もこれから先ずっと春田から愛されてゆく。ふたりの未来は明るいと確信できる、素晴らしいエンディングだった。

春田の感情の変化についての描写が圧倒的に足りなくて、「それはご想像にお任せします」的な部分の多いドラマだったが、良く言い換えれば「想像(妄想)する余白たっぷりのドラマ」だった。
この先のふたりの幸せな姿を、想像の中でいつまでも追い続けていきたい。