昨日の夜、膝を抱えてリアタイした。まだ2回目は観ておらず、あえて最初に観た感想を書きたい。
天空不動山編の続編とならなかったことを惜しむ理由として、「春田と牧のこれからの生活を描くことで同性を好きになる人達の問題に取り組んで欲しかった」という声を幾度と無く聴いた。おっさんずラブはそれができるドラマだと思ったのに、と。
新しいおっさんずラブの世界の中に、その声に呼応するような展開があった。
5話はシノさんの回だった。
突然息子が現れ、以前CAと結婚していて10年前に離婚し、息子とはそれ以来会っていないことが判明する。息子の学校が飛行場に見学に来る流れがあり、元奥さんと息子は数日後にバンコクに行ってしまうこととなっている。
ここで、シノさんの元奥さんが現れて、シノさんに言葉をかける。
「あなたと結婚したことは後悔していない」
「私も子供も幸せだった」
ストーリーの中で、二人が離婚した理由ははっきりと語られない。でもこの言葉から、嫌いあって別れたのではないことが判る。
そしてぼんやりとだけど、この二人の結婚は、シノさんが同性愛者だと分かった上でされたものだと思わされる。
「家族が欲しかった」というシノさんの言葉は、きっと私などが想像するよりも遥かに重い。その重い言葉をあえてサラリと口にさせたこと、元奥さんとの結び付きを表したことは、この作品を通して制作陣の伝えたいことの一つではなかったかと思う。
そしてこの5話は、春田が成瀬に告白するという重要なシーンがあった。
自分の感情を抑えきれず、言葉を選ぼうとして選びきれず、時間をかけて何とか伝えて目の前から去ろうとする成瀬を引き寄せ無理矢理キスをする。
この時に、成瀬の気持ちは自分に向いていないことを感じていたのにそうせざるを得なかった春田のやるせなさがこちらまで刺さってきた。
インザスカイの春田は、人の背中を押している。
でも誰にも背中を押されることなく、自分の気持ちのカタを自分でつけて成瀬に想いを告げている。
これは天空不動山の春田との大きな違いだと思う。
そしてこれから、シノさんや成瀬(や獅子丸?)の間で揺れる春田は、私たちの知らない春田になっていく。
あと3話、私は新しいおっさんずラブの世界を追いかける。