学習塾を始めた夫婦の話。塾競争の時代でも、学習塾にこだわってこどものことを一番に考えていた吾郎は芯が通っていてかっこよかった。意見がすれ違って一度は家を出るも、千明がピンチなときに戻ってきてくれた時は本当に嬉しかった。孫の一郎には吾郎の信念を受け継いでほしい。
時代の波にものり、主人公夫婦が経営する塾は、うまく軌道にのります。今では当たり前に存在している学習塾の始まりが描かれていて、その状況を初めて知りました。
しかしながら、塾に対する世間の目は最初厳しく、娘がいじめにあってしまい、気の毒に思いました。また、娘が普通に家族で外出したいという思いをもっており、それがかなったときにはうれしく思いました。家族で過ごしているさまは本当に楽しそうで、こちらもあたたかい気持ちになりました。主人公の夫が独特でひょうひょうとしており、頼りなさげで実は頼りなる不思議な人だと感じました。